2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J15419
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
Lee Jihyun 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | Organic solar cell, / pn junction, / interface, / doping, / photoconversion |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的として、有機太陽電池は二種類の有機半導体を用い、そのエネルギーオフセットを利用して光電変換を行う。しかし、それに伴うエネルギーの損失が有機太陽電池の効率を低下させる原因の一つである。よって、本研究では、単一有機半導体にドーピングを行い、形成したpnホモ接合で光電変換を起こす新原理の有機太陽電池の実現とそのメカニズムを解明する。その目的のもと、(1)ホスト材料として両方性有機半導体素材にドーピングを行い、pnホモ接合有機太陽電池を実現する。(2)太陽電池の物性を光強度依存・温度依存性測定などの精密測定から、pnホモ接合太陽電池の光電変換機構を解明する。(3)ドーピング効率向上により太陽電池の光電変換効率の向上が予想されるがため、ドーパント周囲の分子レベルの局所構造、局所ポテンシャルを高分解能原子顕微鏡で観測し、ドーピングによる変化を明らかにする。1年目の研究実績として、学会誌への論部投稿、国内・国際学会での発表を行っている。 (1)学会誌等への発表:Ji-Hyun Lee, Photoconversion Mechanism at the pn-Homojunction Interface in Single Organic Semiconductor, Materials, 7 April 2020 (2)国際学会発表:SSDM2020, Photocunversion Mechanism at the pn-Homojunction Interface in Single Organic semiconductor, 口頭発表、2020年9月28日 (3)国内学会発表:2021年第68回応用物理学会春季学術講演会、有機太陽電池の発光再結合のその場観測、ポスター発表、2021年3月17日
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究として、(1)電荷分離・再結合名家ニズムの解明と(2)ドーピング機構の解明を計画した。研究計画通り白色の定常光を照射した条件でpnホモ接合有機太陽電池の温度を300Kから200K範囲で冷却し、電流電圧特性を測定した。短絡電流密度の温度変化から、電荷分離課程における活性化エネルギーを算出できた。また、開放端電圧の温度変化から、電荷再結合中間体の電荷移動(CT)状態のエネルギーを測定することができた。さらに、ドーピング濃度変化に伴うpnホモ接合有機太陽電池の活性化エネルギー、CTエネルギーそしてpn界面のエネルギー構造を観測し、pnホモ接合有機太陽電池の効率向上の指針を得た。 この研究内容に関する研究成果は学会誌への発表(学会誌等への発表:番号1)及び学会発表(学会発表:番号2)で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
光電変換性能向上のためのホスト有機半導体ドーパントの探索:両方性有機半導体素材にドーパントを組み合わせたpnホモ接合有機太陽電池を実現し、有機太陽電池の電流・電圧特性のドーピング濃度依存性を観測した。2元同時蒸着法を用いて、ドーピング濃度を制御したpnホモ接合有機太陽電池を作製する実験手法を確立している。 (1)pnホモ接合界面での光電変換機構の解明:pnホモ接合有機太陽電池で起きる電荷分離挙動や再結合過程におけるキャリアの寿命などを観測するため、光強度依存・温度依存性を測定、高感度外部量収率測定、過渡光起電力測定などを行う。 (2)ドーパント周囲の局所構造の観測によるドーピング機構の解明:高分解能原子間力顕微鏡でドーパント周囲の分子レベルのポテンシャル変化や構造変化を観測することで、有機半導体のドーピング効率向上のための知見を得る。
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Research Products
(3 results)