2020 Fiscal Year Annual Research Report
加齢によって減衰する昼寝の体温変動における概日時計中枢の加齢性メタボライトの役割
Project/Area Number |
20J15459
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋谷 寛之 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
|
Keywords | 概日時計 / 視交叉上核 / 体温 |
Outline of Annual Research Achievements |
ほとんどすべての生物は日内の外部環境の変化に適応するため、行動量や体温、ホルモン分泌など様々な生理現象が約24時間周期で変動しており、これを概日時計と呼ぶ。この生理現象の日内変動は加齢により減衰していくことが知られているが、そのメカニズムはいまだ解明できていない。このような中、申請者らは昼寝の時刻の体温低下が脳内時計中枢(SCN)に多く発現するカルシトニン受容体(Calcr)陽性ニューロンによって制御されていることを明らかにした(嶋谷寛之、土居雅夫, 体内時計の中枢を調節するG蛋白質共役型受容体, 膜タンパク質工学ハンドブック, 344-348, 2020)。また、申請者は加齢による概日時計の減衰メカニズムを調べるため、SCNにおいて加齢により変動する代謝物の探索を行った。具体的には老齢マウス(2年齢)と若齢マウス(3ヵ月齢)の脳からSCNを含む複数の脳領域を6時間ごとに24時間にわたって採取し、liquid chromatography/electrospray ionization tandem mass spectrometry (LC/ESI-MS/MS)によって代謝物の測定を行い、いくつかの候補となる時計関連代謝物を見つけることができた。次に加齢性の生理現象のリズムの減衰がどの生理現象に起因するのかを調べるため、赤外線カメラを用いた体温と行動の同時測定法の開発を行い、行動と体温の関係性についての解析を行った。この手法により、毛づくろいや体勢の微調整などの歩行を伴わない行動においても体温は歩行行動と同程度の上昇を示すことが明らかになった。さらにこれらの行動は休息期においても頻繁にみられたことから、歩行を伴わないこれらの行動は休息期において体温を調節する熱産生機構である可能性が示唆された。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|