2020 Fiscal Year Annual Research Report
環化カップリングを鍵とした新奇ナノグラフェンワイヤの創製
Project/Area Number |
20J15569
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瓜生 瑞穂 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 多環芳香族炭化水素 / ナノグラフェン / 環化カップリング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、本研究員は「ポリベンゾアセンワイヤの合成~最長単一分子合成の挑戦~」に取り組んだ。当研究室では独自のC-H官能基化を用いるPAHのπ拡張反応を報告してきた。2018年に報告した環化カップリング反応は、適用範囲がクロロフェニレンに限定されていた。昨年度までに、本反応の実用性と一般性の向上のために検討を重ねる中で、ピレンが置換したアリールハライドを基質としたときに位置選択的に反応が進行し、縮環二量化生成物が得られることがわかっていた。この縮環二量化生成物に対して、脱水素環化反応を適用することで、6つのベンゼン環が縮環したヘキサセン構造を有するベンゾアセンへと誘導することができる。本研究では、ヘキサセン構造を有するベンゾアセン誘導体に対して当研究室が開発したPAHのC-Hアリール化反応を行うことで、環化カップリングの足掛かりとなるクロロフェニル基を導入する。さらに、環化カップリングと脱水素環化反応により、14のベンゼン環が縮環したテトラデカセン構造を有するベンゾアセンを合成する。さらに繰り返すことで、30のベンゼン環が縮環したトリアコンタセンが合成できると想定される。今年度、テトラデカセンの合成を目指し、C-Hアリール化反応と環化カップリングの検討を行った。C-Hアリール化反応は、ピレンタイプの基質の環化カップリング反応により得られた縮環二量化生成物に対して進行することを確認した。得られるC-Hアリール化体は、位置異性体混合物である。このC-Hアリール化体を用いて、環化カップリングを行うことで位置異性体を含むテトラデカセン前駆体が得られることを確認している。現在、脱水素環化反応の検討段階であり、最長単一分子合成を目前にしている。このことから、本研究員の今年度の研究は、期待通り研究が進行した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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