2020 Fiscal Year Annual Research Report
高い導電率と安全性を両立したナトリウムイオン伝導性固体電解質の開発
Project/Area Number |
20J15636
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
辻 史香 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 固体電解質 / 全個体電池 / 結晶 / ガラス / 導電率 / 安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高い大気安全性とイオン伝導性を示すNa3SbS4結晶電解質の、中心元素であるSbの一部をMoに置換し、Na欠損組成であるNa3-xSb1-xMoxS4組成を作製することで、高い安全性を維持したまま、イオン伝導度が増加することを明らかにした。前年度に見出した世界最高値の導電率を示すNa3-xSb1-xWxS4結晶電解質と合わせて行った解析の結果から、高い導電率を有する原因が、正方晶を有する母結晶に対し、よりイオン伝導に適した立方晶構造を有すること、また前指数因子がより高い値を有することにあるとわかった。また、Na3PS4結晶電解質においても、中心元素であるPの一部をWに置換し、ナトリウム欠損を導入したNa3-xP1-xWxS4組成が母結晶よりも高い導電率を示すことを見出した。 加えて、自由体積を有し、高い成形性と導電率を示すガラス電解質について、平面三角形構造をもつBS33-を基本骨格とする硫化物ガラス電解質を開発した。固相合成およびメカノケミカル処理を用いた、ホウ素と硫黄の単体を出発原料としたNa3BS3ガラス電解質の作製が可能であることを見出した。Na3BS3ガラスの導電率は1.1×10-5 S cm-1であり、四面体構造であるPS34-を骨格とするNa3PS4ガラスの導電率よりも高い値を示すことを明らかにした。また、ガラスを熱処理することで析出した準安定結晶相が、安定相よりも高い導電率を示すことを見出した。 本年度の研究成果として、4報の学術研究論文発表(共著論文を含む)、1件の国内学会オーラル発表に加え、1件の国際学会ポスター発表を行った。さらに、これらの成果が認められ、大阪府立大学学長顕彰等を受賞した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)