2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J20006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
御子柴 みなも 東京大学, 公共政策連携研究部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 少子高齢化 / 介護 / 社会保障 / 世代重複モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、少子高齢化社会における高齢者介護に着目し、高齢者介護に関する家計の意思決定および社会保障制度との関わりに焦点をあて、持続可能な税・社会保障制度の構築に貢献することを目的としている。
2020年度は、家計における介護財決定要因および公的介護保険制度との関わりを明らかにするために、国民生活基礎調査を用いたマイクロデータの分析とカリブレーションパラメータの推計作業を進めた。性・年齢・家計構成・子どもとの同別居状況・所得貯蓄・介護状態といった介護財選択の決定要因となりうる項目について整理を行い、異質な経済主体を含む動学的マクロモデルの改良およびカリブレーションインプットの検討を行った。使用した国民生活基礎調査は、公的介護保険制度が導入される2000年以前から介護に関する質問を多く設けた統計調査であるため、介護財選択の決定要因のみならず、介護財選択と社会保障制度導入の関わりについても、整理・分析・検討を行うことができた。定量分析で用いる動学的世代重複モデルにおいては、先行研究である、Barczyk and Kredler (2018, Review of Economic Studies)やImrohoroglu and Zhao(2018, JME)等と同様、親子間の介護財選択に関する意思決定構造を組み込んだモデルをベースとし、マイクロデータによる分析結果を反映することで、構築・改良を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿った、介護に関するマイクロデータの整理・分析を進め、それらをカリブレーションパラメータとした定量分析に用いるモデルの改良を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロデータの分析とカリブレーションパラメータの推計作業を取りまとめ、ベースラインとなるモデルの定量分析・シミュレーションを行う段階に進みたい。また、パラメータの推定および数値計算には大きな計算量が予想されるため、必要なソフトウェアを調達する。
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