2020 Fiscal Year Annual Research Report
ICT-based System for Large-scale and Global Japanese Language Education
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20J20043
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
片岡 友香 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 第二言語・外国語教育 / 口頭訂正フィードバック / リアルタイム遠隔教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、第二言語・外国語の授業における学生の発話の向上を目的とし、教室時間中に教師が学生の発話の誤用をいち早く検知し、訂正を促す口頭訂正フィードバックを可能にする教育支援システム「ORP Gym」を提案する。今年度の実験では、慶應義塾大学が展開するアジア7カ国の大学とインターネットを介して連携した国際研究開発プラットフォームであるSOI Asiaプロジェクトに参加する多国籍の日本語初学者を対象とし、日本語のスピーキング授業をリアルタイム遠隔教育として実施し、提案システムの導入実験を実施した。本提案システムである「ORP Gym」は、教室時間外に教師のフィードバックをコンピュータが仲介するComputer Mediated Feedback (CMF)を学習管理システム(Learning Management System、LMS)上で可能とするシステムとして構築してきた。今年度の実験は、リアルタイム遠隔教育として実施される日本語のスピーキングの授業のための教育支援システムとして、教室時間中においても演習にORP Gymを活用し、LMS上で提供されるCMFが学生の発話の向上に貢献するという仮説を立証するために実験を行った。実験に先立ち、9/27に慶應義塾大学におけるSOI Asiaプロジェクトの国際会議において実証実験に関わる口頭発表を行い、アジアの大学側からの実証実験への参加者を募集した。その後、 11/7から12/26の約2ヶ月間にわたり、12名の実験参加者を対象にORP Gymの導入実験を実施した。12名はインドネシアの3大学、ミャンマーの1大学、慶應義塾大学から参加した。今後は、得られた結果から論文を執筆し、論文誌Research and Practice in Technology Enhanced Learning (RPTEL)に投稿を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度本研究では、提案する教育支援システムの導入実験の計画・実施において期待通り研究が進展しており、今後は取得したデータを基に論文誌への投稿を進めている。具体的には下記の通り、当初の計画通り研究が順調に進展していることを報告する。研究への取組みとして、本研究は、第二言語・外国語の授業における、学生の発話の向上を目的とし、教室時間中に教師が学生の発話の誤用をいち早く検知し、訂正を促す口頭訂正フィードバックを可能にする教育支援システム(ORP Gym)を提案している。今年度の実験では、慶應義塾大学が展開するアジア7カ国の大学とインターネットを介して連携した国際研究開発プラットフォームであるSOI Asiaプロジェクトに参加する多国籍の日本語初学者を対象とし、日本語のスピーキング授業をリアルタイム遠隔教育として実施し、提案システムの導入実験を実施した。実験の計画・実施については、実験に先立ち、9/27に慶應義塾大学におけるSOI Asiaプロジェクトの国際会議(オンライン開催)において実証実験に関わる口頭発表(査読なし)を行い、アジアの大学側からの実証実験への参加者を募集した。 その後、11/7から12/26の約2ヶ月間にわたり、12名の実験参加者を対象にORP Gymの導入実験を実施した。研究成果としての論文執筆状況については、本リアルタイム遠隔日本語授業と実験について、WIDE研究報告書にサマリが掲載された。また、SOI AsiaプロジェクトのWebサイト上にショートレポートが掲載された。今後は、取得したデータを分析し論文を執筆し、論文誌Research and Practice in Technology Enhanced Learning (RPTEL)にケーススタディとしての論文投稿を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の実験では、当初は海外大学からの実験参加者を50名募集していたが、最終的に12名の参加者となった。そのため、統計的な厳密な評価をするには非常に少ないサンプルサイズという結果になった。そのため、今年度の研究成果は、論文誌Research and Practice in Technology Enhanced Learning (RPTEL)のコロナ感染症拡大の影響によるeラーニングやオンライン学習を主題とした「The Impacts and Implications of the COVID-19 Pandemic on E-Learning / Online Learning and Teaching: A Forward Looking Perspective」にケーススタディとして論文提出を目指している。
参加者が少なかった理由の主な一つとして、今年度はコロナ感染症拡大対策による海外大学のロックダウン措置等により、アジアパートナー大学の学生が自宅のネットワーク環境から接続して本授業・実験に参加したことが考えられる。各大学の教員から参加者募集について同意とサポートを得ていたが、自宅に安定したネットワーク環境がない学生や停電の影響も多く、授業・実験への参加を断念せざるを得ない学生が多くいたことが考えられる。
今後は、仮説の一般化にはより大きなサンプルサイズが必要であるため、次年度以降は、インド工科大学ハイデラバード校の単位認定型の日本語授業内や、SOI Asiaの他、文科省のプロジェクトであるASEAN地域を対象とした人材育成プロジェクトであるEBAプロジェクトと連携し、大規模・多国籍の遠隔リアルタイムの日本語授業の実施を目指す。
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Remarks |
2020年度国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)成果報告書一部で、本研究内容について成果報告を行った。(報告書標題: “Current Status and Issues of Technological Cooperation and Human Resource Exchange between Japan and India”)
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