2021 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of a lectin from the mushroom, Cordyceps militaris
Project/Area Number |
20J20164
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小野 晶子 東京農工大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 冬虫夏草 / Cordyceps militaris / レクチン / mushroom |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまでに、「サナギタケ由来レクチンが宿主への感染から子実体形成の分子メカニズムに関与しているのではないか?」という仮説のもと、サナギタケ子実体から、カイコ蛹粗抽出物と結合活性をもつレクチンの精製を行った。その結果、R型レクチンと相同性を持つ新規サナギタケ由来レクチン(CmLec4)の精製および遺伝子クローニングに成功した。また、酵母を宿主とした異種発現系も構築し、本タンパク質を接種したカイコ蛹は羽化が有意に遅くなった。CmLec4の、カイコ蛹中の標的タンパク質が性特異的貯蔵タンパク質であることを明らかにし、カイコ蛹への分化に関与することが示唆された。また、cmlec4遺伝子破壊株では、有意に子実体形成が低下したことから、自身の子実体形成にも関与する可能性を示した。 そこで本研究では、さらに詳細なCmLec4およびその他レクチン遺伝子群の機能を解析するため、①CmLec4の機能解析・生体内での挙動を確認すること、②CmLec4が標的とするカイコ中のSP2タンパク質の構造および相互作用解析、③サナギタケとは宿主範囲の異なるBeauveria bassianaのゲノム上からCmLec4に対応する遺伝子をマイニングし、関連するレクチンの諸性質を検討することを目的として研究を行う。上記課題を遂行することにより、菌-昆虫間のレクチンの生体内機能の解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、冬虫夏草サナギタケの宿主昆虫の相互作用に関わる分子としてレクチンタンパク質に着目して研究を遂行している。これまでにサナギタケと同じfamilyに属するボーベリアバシアナのゲノム情報からレクチン遺伝子群をマイニングし、サナギタケのレクチン遺伝子と系統解析を行い、対応関係を評価した。その結果、これまで着目していたCmLec4に対応する遺伝子がボーベリアバシアナ中に3種存在することを明らかにした。これらレクチンタンパク質を、大腸菌を用いて異種発現体を構築し、諸性質の解明を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したCmLec4抗体を用いて、蛍光染色によって生体内での局在を観察し、局在から生体内での役割を推定する。また、ボーベリアバシアナのレクチン遺伝子についてより詳細な諸性質の検討を進めていく。
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