2022 Fiscal Year Annual Research Report
モジュラー関数のサイクル積分と実二次体の数論との関係について
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20J20308
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 友哉 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | モジュラー形式 / 量子不変量 / 漸近展開 / 解析的整数論 / 低次元トポロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は申請者の研究対象であるモジュラー形式について、低次元トポロジーにおける量子不変量の関係という予想を超えた内容に関して進展が得られた。3件の論文発表を行い、その内容について7件の研究発表(うち2件は国際会議における英語発表)を行った。また申請者が近年研究を進めている量子モジュラー形式についての研究状況を紹介するサーベイ講演を2件行った他、YouTubeチャンネルへの招待出演を2件行い一般の視聴者に向けて研究紹介を行った。更に12件以上の研究集会に参加し、関連分野の最先端の研究について見聞を深めた。 今年度に発表した研究成果はいずれも昨年度に引き続き進めている量子不変量の量子モジュラー性についてである。この研究の動機は整数論の観点からは量子モジュラー形式の一般論構築に向けた興味深い具体例の発見にあり、またトポロジーの観点からは3次元実多様体の量子不変量に関するWittenの漸近展開予想を解決することにある。この課題に取り組むため、数理物理学者のGukov-Pei-Putrov-Vafaによる予想の証明を直近の目標に掲げて研究に取り組んだ。その結果、今年度得られた研究成果では、まず5月に発表したプレプリントにてこの予想を部分的に解決し、続いて2月に発表したプレプリントにてこの予想を完全に解決した。また予想の仮定が満たされない場合に同様のことを実行する研究も行い、プレプリントとして発表した。証明に際しては、解析的整数論で用いられる漸近評価の改良・漸近評価の比較手法・鉛管グラフの枝打ちという三つの手法を新たに導入した。これらの手法は他の問題にも応用できることが見込まれ、現在はL関数の特殊値の線形関係式への応用や、重さ1のEisenstein級数とBettin-Conreyの余接和の量子モジュラー性に関する赤塚広隆氏との共同研究を準備中である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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