2021 Fiscal Year Annual Research Report
津波生存者・犠牲者の双方に着目した津波避難行動発生・進行メカニズムの解明
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20J20360
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新家 杏奈 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 津波避難行動 / インタビュー調査 / 探究学習 / 手法作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,東日本大震災発生時の津波避難行動を対象に,津波避難行動の進行メカニズムを解明し,津波避難の進行に関連する要因を明らかにすることを目的として実施している.2021年度は,2020年度に開発したインタビュー調査手法を用いた津波避難行動調査と,インタビュー調査手法を防災学習に利用した際の学習効果についての研究を行った.前者の津波避難行動調査は,東日本大震災にて甚大な津波被害が発生した気仙沼市鹿折地区と福島県いわき市で実施し,鹿折地区で10名,いわき市で30名にインタビューをすることができた.2022年度にこの調査結果を用いて分析を行い,津波避難行動の進行メカニズムの解明を目指す予定である.後者の防災学習への利用に関する研究では,開発手法を利用した防災学習を気仙沼市立鹿折中学校にて実施し,学習の様子の観察と学習に参加した生徒への質問紙調査を行った.学習に参加した中学生をグループ編成し,調査マニュアルを導入することにより、調査対象者に対して効率的にインタビュー調査を実施することができた.また,インタビュー中の音声を録音し,インタビュー調査手法の作成者が実施したインタビュー調査の結果と比較した結果,中学生は手法作成者の聞き取った情報量の7割以上を聞き取ることができ,聞き取った内容を用いた分析・発表活動へも高い満足度を示していたことが明らかになった.2022年度は2020年度から続いている同校の防災学習について,複数年度学習を継続することによる学習効果について研究を行う事を予定している.本研究成果について国内2件,国外1件の3つの学会で発表を行い,2つの学会賞を受賞することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は2020年度に作成した調査手法を利用して,宮城県気仙沼市で10名,福島県いわき市にて30名以上にインタビューを実施し,さらに,作成手法を利用して気仙沼市立鹿折中学校にて防災学習を実施することを目標としていた.2021年度の活動によってこの目標を達成することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,2021年度までに気仙沼市鹿折地区,気仙沼市階上地区,いわき市豊間地区にて収集した東日本大震災発生時の津波避難行動に関するインタビュー調査結果の分析を行う予定である.まず,分析手法を決定するために事前検証を行い,決定した分析手法を用いて津波避難行動進行メカニズムと津波避難行動の促進・阻害要因について明らかにする.また,2020年度から2022年度まで気仙沼市立鹿折中学校にて実施・継続されている作成手法を用いた防災学習の観察を実施し,学習効果や学習を継続することによる効果についても研究を行うことを予定している.
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Research Products
(7 results)