2022 Fiscal Year Annual Research Report
津波生存者・犠牲者の双方に着目した津波避難行動発生・進行メカニズムの解明
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20J20360
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新家 杏奈 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 津波避難行動 / インタビュー調査 / 質的分析 / コーディング / 手法作成 / 二重過程理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,東日本大震災発生時の津波避難行動を対象に,津波避難行動の進行メカニズムを解明し,津波避難の進行に関連する要因を明らかにすることを目的として実施している.2022年度は,東日本大震災発災時に生じた行動について,その行動がどのようなメカニズムで生じていたのかについて,インタビューによる証言を基に分析を行った.今年度は,発災時に合理的行動・非合理的行動がともに生じるという既往研究を受け,合理的・非合理的行動がともに分析できる二重過程理論を用いた証言の分析手法を作成した.さらに,インタビューへの参加者からの協力をいただき,手法の精度の検証を行い,ある程度の精度が担保された分析手法であることを明らかにした.作成手法を用いて,東日本大震災発災時の行動について気仙沼市階上地区で行ったインタビュー証言の分析を行ったところ,直感的なシステム1による行動が多くみられ,熟考的なシステム2による行動は非常に限定的であったことが分かった.二重過程理論に関する研究においては,各システムの特徴について研究が進んでおり,システム間の関係や発生傾向について明らかになっていないことが多い.よって,今後の研究では,証言を用いた分析を継続し,災害発生時の行動発生傾向を二重過程理論を用いて分析することで,リスク状況下における各システムの関係について研究を発展させていく事を予定している.また,今後被災が起こる可能性がある地域では,津波によって効率的に避難を行うための対策が求められている.よって,今後は証言から津波暴露リスクを増やす行動(以下,リスク行動)を抜き出し,そのような行動がどのような過程で発生しているのかを分析することで,リスク行動をどのように抑制するのか,対応策の検討・提案を行うことを予定している.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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