2022 Fiscal Year Annual Research Report
古墳時代の埋葬行為からみた「過去」と「伝統」の規範性
Project/Area Number |
20J20364
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
荒井 啓汰 筑波大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 古墳時代 / 埋葬行為 / 横穴式石室 / 埋葬施設 / 社会的記憶 / 葬送儀礼 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、横穴式石室の埋葬行為についての調査研究と、ケーススタディとして実施した常総地域の研究成果の公表をおこなった。前者の横穴式石室の埋葬行為をめぐる調査では、各地の横穴式石室の踏査と発掘報告書によるデータの収集・整理を実施した。横穴式石室の踏査は一昨年度より継続して実施しており、当該年度は福島県、栃木県、群馬県、静岡県、岐阜県、広島県、奈良県などにおける横穴式石室の踏査と観察をおこなった。これにより横穴式石室の構造の差が、技術的な要因だけでなく、巨視的な埋葬行為の差と深く関係する可能性が示された。これらの観察所見も含め、各地の横穴式石室における埋葬行為の諸要素をデータ化し、広域的な枠組みの構築を目指して整理をおこなった。また、埋葬行為論の理論的枠組みについては、「古墳時代後・終末期の埋葬行為と社会的記憶」(『月刊考古学ジャーナル』771)にまとめた。 後者の常総地域(茨城県南部・千葉県北部)の事例研究として、当該年度には茨城県つくば市中台古墳群の再検討などをおこない、遺物や埋葬施設の位置づけを整理した。さらに、これまでに実施してきた常総地域における埋葬施設をめぐる検討を総括するかたちで、2023年2月に『埋葬施設からみた常総地域の地域構造』(特別研究員奨励費(課題番号:20J20364)研究成果報告書)を刊行した。これにより、常総地域の埋葬施設から当該地域の流通構造・埋葬行為・社会階層の議論がより立体的に位置づけられるようになった。以上のように、当該年度は古墳時代後・終末期の埋葬行為論を軸として多角的な分析に努め、それらの研究成果の発信をおこなった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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