2020 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical-experimental studies on frictional characteristics of serpentinite
Project/Area Number |
20J20413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 花也 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 地震 / 摩擦特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛇紋岩を始めとする力学的に脆弱な岩石の摩擦特性は地震の発生プロセスを大きく支配するため、各種岩石がどのような摩擦特性を持ち、その摩擦特性がどのようなメカニズムで構成されているかを明らかにすることは地震発生の物理の理解の上で重要である。本研究では蛇紋岩を構成する鉱物の一つであるブルーサイトが、含水状態かつ低垂直応力条件において、低い摩擦係数および不安定滑りを示すことを実験的に発見した。この摩擦特性は沈み込み帯における深部スロー地震の発生に寄与している可能性がある。またブルーサイトとギブサイトの層間での剪断応力の理論計算を行い、粒子間相互作用の剪断強度への寄与を定量的に見積もったことにより、鉱物毎の摩擦特性の違いの物理的背景の理解が進んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
理論計算および摩擦実験の共に蛇紋岩鉱物の摩擦特性として重要である物性値を解明することができたほか、その他の岩石種についての実験も行い重要な結果を得ることができている、さらに岩石の変質プロセスの実験のためのセットアップも開始できたことから、当初の計画以上に本研究は進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な岩石種や温度圧力速度条件での摩擦実験などを通して、力学的に脆弱であり地震発生に重要であると考えられている蛇紋岩鉱物や粘土鉱物の基礎的な摩擦特性の解明に取り組む。また岩石の変質プロセスと変形プロセスの相互作用についての研究も発展させる。
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