2021 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical-experimental studies on frictional characteristics of serpentinite
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20J20413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 花也 東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 沈み込み帯 / 地震 / 摩擦特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は以下の研究を実施した。 (1)蛇紋岩鉱物の一つであるブルーサイトと似た結晶構造を持つが、実験における摩擦特性が異なるギブサイトについて、原子スケールでの摩擦特性の理論計算を行い、その結果をまとめ、査読付き英文国際誌American Mineralogistに投稿した。 (2)南海トラフから採取された堆積物試料の摩擦実験結果をまとめ、査読つき英文国際誌Journal of Geophysical Research: Solid Earth誌に受理・掲載された。 (3)沈み込み帯浅部における粘土鉱物のソースの一つである火山ガラスについて、その風化プロセスが摩擦特性にあたえる影響を調べるため、火山ガラスとスメクタイトの混合物について摩擦実験を行った。その結果、スメクタイトが少量でも含まれると急激に断層強度が落ちることが明らかとなった。 (4)沈み込み帯の地震発生帯の断層を構成する変質玄武岩について、熱水環境での摩擦実験を行い、その摩擦特性を調べた。その結果、変質玄武岩は沈み込み帯に存在するほかの物質に比べて、地震を起こすポテンシャルが高いことが明らかとなった。 (5)断層物質が様々な温度圧力条件においてどのような変質挙動を示し、どのように摩擦特性へ影響するかを調べるための、蛇紋岩鉱物や粘土鉱物の標準試料を用いた熱水変質実験にむけた実験装置の改良を行いつつ、熱水変質実験の最初の取り組みとして火山ガラスの粘土鉱物化の実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛇紋岩鉱物に関連する物質の摩擦特性の理論計算について、結果を国際誌へ投稿することができ、また摩擦実験についても複数の岩石種についてその物性を明らかにし、重要な結果を得ることができたことから、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は理論計算の結果の国際誌への掲載を目指し論文の改定を行う。また2021年度までに行った摩擦実験の結果を論文化する。
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Research Products
(13 results)