2020 Fiscal Year Annual Research Report
CuSCN/有機色素ハイブリッド薄膜の自己組織化電析と次世代デバイスへの展開
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20J20455
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
宇田 恭太 山形大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 電解析出法 / CuSCN / 物理的特性 / 発光デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究の目的は、CuSCN/有機色素ハイブリット薄膜の新展開として、ハイブリッドEL素子の作製を目指すことである。具体的には、電解析出法によって作製したCuSCNはEL素子のホール輸送層として機能するのか、それを用いて発光素子の作製が可能なのかを明らかにすることである。 これを踏まえ、研究成果は以下の通りである。 まず、溶液プロセスによる電解析出法を用いたCuSCN薄膜がデバイスへ応用するための機能評価を行った。得られた薄膜にAlを蒸着しIV測定を行った所、高い整流性に加え高い電流密度を達成することができ、ダイオードとして応用が可能ということが明らかになった。同時に、電解析出時の成膜条件を変化させることによりCuSCNの物理的特性についてもコントロール可能ということが明らかになった。具体的には、結晶構造やその配向性、透過率やヘイズ率、さらにバンドギャップはそのままにCuSCNの仕事関数までも変化させることができる。これは、電解析出で作製したCuSCNはデバイスへ応用する際に、そのデバイスに求められる条件で成膜することが可能である。また、実際に発光デバイスへ応用できるかを調べるために、ITO基板上にCuSCNを電析しNPD/Alq3/LiF/Alといった実際に有機ELに使われる材料を蒸着によって成膜を行ったところ、簡易的なデバイスについて発光を示すことが明らかになった。改善点はまだまだあるもの電解析出法が発光デバイスへ応用する際の新たな選択肢になり得ることが明らかになった。今後は、CuSCNを用いた発光デバイスの最適化に試みたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗状況は、おおむね順調に進展している。理由及び具体的な研究の成果は以下の通りである。 上述したが、溶液プロセスによる電解析出法を用いたCuSCN薄膜がデバイスへ応用可能であるかを明らかにするために機能評価を行った。電析膜は電圧をかける際、電子トラップの少ないため電子とホールの輸送がしやすいと予想していていたが、予想どおりの結果になり簡易的な発光デバイスへの応用が可能であることも明らかになった。物理的特性をチューニングは単なる溶液プロセスではなし得ない電解析出法の利点となり得ることが明らかになった。この強みを生かしたデバイス設計を今後行って行きたい。 また、上記の内容で国際学会発表、また論文も執筆中であることから総合的に判断し、研究活動についておおむね順調に研究が進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究の目標としては、前年度の結果から溶液プロセスによる電解析出法を用いたCuSCN薄膜がデバイスへ応用可能であることが明らかになったので、本格的なデバイス作製に試みる。これまでに作製したものは発光を示したものの具体的な評価、デバイス構造の最適化ができていない。そこで、作製したデバイスのI-V-L特性、発光効率、安定性、発光波長制御を評価する。加えて、CuSCNと有機色素を複合化し協奏的光機能として発光増強が起こると予想される有機色素及び従来有機ELの発光層に用いられている有機分子も複合化に試み、設計にフィードバックすることでデバイスの最適化を目指したい。これらにより、従来の蒸着法を用いた有機ELよりも、低コスト化、大面積化に有利となる可能性を示すことを目標とする。また上記の研究成果については国内外の学会や論文等で公表する。
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Research Products
(4 results)