2022 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of geographic isolation, host shift and plant diversification on the diversification and geographic distribution of lace bug
Project/Area Number |
20J20483
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
相馬 純 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 分類学 / 生物多様性 / カメムシ目 / グンバイムシ科 / 寄主転換 / 東アジア / 地理的隔離 / 植食性昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,論文と短報が査読付き学術雑誌に計20本掲載・受理された.COVID-19の感染対策により国内の野外調査を支障なく実施できた.10,000個体以上のサンプルを用い,日本産グンバイムシ科(カメムシ目)の分類学的研究を大幅に進展させた.本科のミトコンドリアDNAと核DNAの塩基配列による分子系統解析に取り組み,①ツツジグンバイ属,ツツジグンバイ亜属,タブグンバイ亜属が多系統であること,②ヤナギグンバイ属,オガサワラグンバイ属,ヒメグンバイ属がツツジグンバイ属に近縁であること,③ツツジグンバイ属のシャクナゲ類に寄生する10形態種が両遺伝子の部分配列で識別できないことを解明した.上記の成果は今後論文として公表する予定である. 令和4年度の代表的な研究成果は,ツツジグンバイ属のクスノキ科に寄生する種を分類学的に再検討した論文である.計5,080頭の標本を形態形質の比較とミトコンドリアCOI遺伝子の解析により総合的に再整理した.結果として,3新種を含む10種が日本に生息することが判明した.全国各地で採集された多数の標本データにより,各種の分布域の概観を把握した.すべての種で寄主植物を解明し,7種がタブノキに寄生することを確認した.各種が地域,環境,寄主植物で棲み分けていることを示した.新種として記載したハヤシグンバイはミトコンドリア遺伝子のCOI領域に遺伝的地域性が確認された.クスノキ科に寄生する種は今まで識別が困難であったが,図説検索を作成することで同定が大幅に簡便化した.以上により,難分類群ながら緑化樹害虫と移入種を含み,生物地理学的にも興味深いクスノキ科に寄生するツツジグンバイ属に対して,発展的な研究を実施するための基盤を整備した. 研究期間を通じてCOVID-19の影響を受けた本研究課題だが,現状に即した効率的な計画により,概ね予定通りに課題達成できた.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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