2020 Fiscal Year Annual Research Report
次世代標的アイソトープ療法の開拓に向けたオージェ電子治療の効果検証
Project/Area Number |
20J20518
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾幡 穂乃香 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | Auger電子 / Pt-191 / DNA / 核医学 / 白金 / 標的アイソトープ療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、標的アイソトープ療法において未だ確立されていないオージェ電子がもたらす治療効果の期待値を正確に調べると共に、オージェ電子の臨床利用を見据えた上でその実用性を評価し、解決すべき課題や今後の研究方針を明確化する。このために、まずDNAに結合するPt-191標識白金化合物を用いて、DNAを標的とするオージェ電子の有効性を評価する。 本年度の研究計画として、下記の課題を計画した。 (1) 本研究で使用するオージェ電子放出核種である白金の放射性同位元素(191Pt)について, 標識や調剤に適した化学形/溶液組成/放射能濃度で191Pt原料が得られるように、固相カラムを用いた簡便な分離精製スキームを構築する。 (2) 製造した191Pt原料を用いて、DNAを標的とする191Ptを標識した放射性白金化合物を合成する。 (3) 得られた放射性白金化合物を用いた生物学的評価を行い、オージェ電子におけるDNA標的の有効性を評価すると共に、求められる標的分子の条件について考察する。 結果として、加速器を用いたイリジウムからのPt-191製造法開発とPt-191標識化合物の合成法開発を行い、薬剤合成・生物評価に適した量・化学形のPt-191が製造可能となった。本技術は世界的にも達成されていないもので、今後のオージェ電子治療開発において、Pt-191という新たな選択肢を提示することができた。また得られたPt-191を用いて191Pt-cisplatinの標識を達成し,それらの生物評価を世界に先駆けて実施した。薬剤の取り込み率の低さなどに改善点は見つかったものの、Pt-191標識化合物は二重鎖切断などのDNA損傷を引き起こし得ることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウィルス蔓延に伴うラボ閉鎖等による影響はあったものの,Pt-191の製造法や標識合成法の開発,そして191Pt-cisplatinの生物評価を実施することができ,今後の薬剤開発に重要な知見を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度で得られた製造法・標識合成法を活かして,DNAを標的とするPt-191標識化合物を開発し,そのDNA標的性・障害性を明らかにする。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Synthesis of no-carrier-added [188, 189, 191Pt]cisplatin from a cyclotron produced 188, 189, 191PtCl42- complex2021
Author(s)
Obata, H., Minegishi, K., Nagatsu, K., Ogawa, M. and Zhang, M.R.
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Journal Title
Sci. Rep
Volume: 11
Pages: 8140
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] In Vitro Evaluation of No-carrier-added Radiolabeled Cisplatin ([189, 191Pt]cisplatin) Emitting Auger Electrons2021
Author(s)
Obata, H., Tsuji, A.B., Sudo, H., Sugyo, A., Minegishi, K., Nagatsu, K., Ogawa, M., Zhang, M.R.
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Journal Title
Int. J. Mol. Sci.
Volume: 22
Pages: 4622
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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