2022 Fiscal Year Annual Research Report
Reading under the Propaganda State: Media History of the Intellectuals and the Masses in Modern China
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20J20573
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
比護 遥 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 近現代中国 / 読書 / 政治文化 / メディア史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「あるべき読書」がいかなるものとされてきたかの変遷を通じて、近現代中国の政治文化の特質を明らかにしようとするものである。本年度は、昨年度までに積み重ねてきた個別研究をもとにして、全体的な視点から再構成することにより、博士論文として完成させ、学位の取得が認められた。この博士論文は、改稿したうえでなるべく早い段階に出版することを目指して準備を進めている。博士論文の章立ては以下の通りである。 序章:焚書の政治から読書の政治へ――書物をめぐるシンボリズム/第1章:上海の「グーテンベルグの銀河系」――先行研究・視座・時期設定/第2章:消費する読者への政治的期待――1930年代の読書雑誌の機能/第3章:抗戦のための読者の役割――リテラシーとオラリティーの相克/第4章:革命的な読書――連続性のなかの毛沢東時代/第5章:「読書熱」の二重性――ポスト文革期の文化-政治/第6章:未完の「八十年代」――『読書』時代の終焉/終章:読書の政治学 また、博士論文の執筆と並行して、7月には中国社会文化学会のシンポジウム「近代メディアは中国社会に何をもたらしたのか?」において、「書籍と中国社会:焚書と読書のシンボリズム」と題した報告を行った。この報告内容は、同学会の会誌である『中国―社会と文化』に論文として近日中に掲載予定である。また、本研究と密接にかかわる中国のプロパガンダに関わる専門書(劉海龍『宣伝』中国大百科全書出版社、2020年)についての書評論文も執筆して、『京都メディア史研究年報』第9号(2023年)に掲載された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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