2022 Fiscal Year Annual Research Report
Thioacid-Based Strategy for the Glycoprotein Synthesis
Project/Area Number |
20J20649
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 幸汰 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
|
Keywords | 反応開発 / 糖タンパク質 / 化学合成 / ペプチド / SPINK13 / 抗癌活性 / 糖鎖 / セリンプロテアーゼ阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまでに開発した糖タンパク質合成法である糖鎖挿入法を用いて、32残基目のAsnに複合型型二分岐シアリル糖鎖を有するセリンプロテアーゼ阻害剤カザルタイプ13(SPINK13)の化学合成及びバイオアッセイを共同研究を含めて行った。SPINK13は各種細胞において抗癌活性が示唆されている化合物であり、現在までにSPINK13上の糖鎖の影響が研究された事例は無いことから、本研究では糖鎖の有無による抗癌活性の評価を検討した。ヒト癌細胞株であるhuman hapatoma cell (Huh7), human pancreatic cancer cell (PSN-1) 及び非癌細胞株であるhuman embryonic kidney cell (HEK293)に対して、糖鎖が結合したSPINK13及び糖鎖が結合していないSPINK13を作用させることで、各細胞の増殖能力及び細胞外マトリックス中での浸潤能力を測定した。本研究は大阪大学医学研究科の三善先生との共同研究として行った。その結果、糖鎖の有無に関わらず、いずれの細胞においてもSPINKの有無で細胞の増殖活性は変化しなかった。一方、癌細胞の細胞マトリックス中での浸潤能力は糖鎖の有無によって変化することが解明された。糖鎖がある場合に比べ、糖鎖がない場合のSPINK13を用いた実験では、より癌細胞の浸潤能が低下したことから、癌細胞の浸潤阻害に対し糖鎖はネガティブな影響を与えることが判明した。Alpha Foldによるタンパク質構造シミュレーションを行った結果、癌細胞が周囲の細胞マトリックスを分解する際に発現するプロテアーゼに対して、SPINK13が結合する場合に、結合サイトに糖鎖が付加されている可能性が示唆されたことから、生体内においてSPINK13上の糖鎖はいずれかの段階で除去される可能性がることが見出された。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)