2020 Fiscal Year Annual Research Report
人工GPCRと合成リガンドを利用したG12シグナルの個体での機能解析と創薬応用
Project/Area Number |
20J20669
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 雄基 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / Gタンパク質 / G12 / 血管平滑筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、市販医薬品の作用標的の約30%を占める重要な創薬標的である。GPCR下流で活性化する三量体Gタンパク質はその機能から4種 (Gs, Gi, Gq, G12)に分類されるが、G12を介した機能は未だ不明な点が多い。近年、特定のGタンパク質を任意の場所・時間で活性化する手法としてデザイナーGPCRが着目されている。我々は先行研究において、新たにG12共役型デザイナーGPCR(G12-DREADD)を作製した。本研究ではG12-DREADDを用いて糖代謝や脂肪代謝におけるG12の機能を個体レベルで解析し、新規創薬標的となりうるG12共役型GPCRを同定を目指している。 まず、マウスにG12-DREADDを組織特異的に発現させるため、cre recombinase依存的にG12-DREADDを発現するマウスをCRISPR-Cas9システムを用いて作製した。このマウスと平滑筋特異的にcre recombinaseを発現するTagln-creマウスを交配し、産仔にCNOを投与したところ、既知のG12の機能である血管平滑筋の収縮とそれに伴う血圧上昇が誘導された。以上の結果から、G12-DREADDは個体においても機能的であり、G12の活性化制御が可能であることが示された。 次に、肝臓におけるG12シグナルの機能を評価するため、肝細胞特異的にcre recombinaseを発現するalbmin-creマウスと交配を行い、脂肪肝発症に対するG12シグナルの寄与を評価した。G12-DREADDリガンド(CNO)を連続投与した後に、絶食によって脂肪肝を発症させたところ、G12-DREADDの活性化は脂肪の蓄積を抑制した。この結果から、G12シグナルは脂肪肝の治療に有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目には、本研究課題で使用するG12-DREADDをcreリコンビナーゼ依存的に発現する遺伝子改変マウスの作成とその機能的確認を行う予定であったが、予定より早く完了し、次の段階に研究を進め始めている。肝細胞に着目して研究を進めており、G12シグナルの活性化が脂肪肝を抑制すること新たに明らかにしている。今後はそのメカニズム解析や実際にその機能を内在性に担っているGPCRの探索を行う予定であり、本課題は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、脂肪肝抑制メカニズムの解析に取り組む予定である。具体的には、de novo脂肪酸合成やβ酸化に着目して研究を行う予定である。さらに、肝細胞だけでなく脂肪細胞におけるG12シグナルの機能解析にも取り組む予定である。具体的には、白色脂肪のbrowningに着目して解析を行う。
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Research Products
(1 results)