2022 Fiscal Year Annual Research Report
固体クロスカップリング反応による固相精密分子変換手法の開発
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20J20675
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬尾 珠恵 北海道大学, 大学院総合化学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | メカノケミストリー / ボールミル / 鈴木-宮浦クロスカップリング / パラジウム / ホスフィン配位子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度においては、「メカノケミカル条件に特化した新規メカノ触媒の開発」を中心に行った。種々検討を行った結果、ホスフィン配位子にポリマー鎖として、ポリエチレングリコール鎖を導入した新規配位子を用いることで、より温和な条件下メカノケミカルクロスカップリング反応が進行することを見出した。従来の最適配位子を上回る触媒活性を示すことがわかっている。特に従来の最適配位子では全く反応が進行しなかった基質に関しても、今回のメカノ触媒を用いて反応を行うことで、ほぼ定量的に反応が進行する。さらに固体NMR、PXRD、DSC測定、TEM測定を行うことでポリマー鎖の役割についての考察も行っている。測定の結果、ポリマー鎖にはパラジウム触媒の凝集を抑制する役割があることが示唆されている。ポリマー鎖により形成されるポリマー相と、固体基質との結晶相が相分離構造を形成することで、このような効果がでいていると現在のところ考察している。詳細な議論については、今後計算化学を用いた理論計算を用いて行っていく予定である。また、ポリエチレグリコール鎖以外のポリマー鎖、例えばポリエステルやポリアミド、ポリスチレンにおいてはこのような効果がないことも確認している。この成果は、J. Am. Chem. Soc.に掲載され、カバーアートにも採択された。今後は、ホスフィン配位子だけでなくNHC配位子やビピリジン配位子にもポリマー鎖を導入したメカノ触媒を合成することで、メカノ触媒のライブラリー構築を行っていく予定である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)