2022 Fiscal Year Annual Research Report
有機超塩基触媒が拓く不活性炭素ー酸素結合の直截的変換反応
Project/Area Number |
20J20712
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 和寿 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 有機超塩基 / 不活性結合 / 芳香族化合物 / 脱メチル化反応 / 有機触媒 / 芳香族複素環 / 炭素ー酸素結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、フォスファゼン塩基t-Bu-P4を触媒として用いて、芳香族メトキシ化合物の炭素(sp2)-メトキシ結合の変換反応の開発に取り組んできた。この過程で、チオールを求核剤として用いた際には、芳香族メトキシ化合物の脱メチル化反応が進行することを見出した。従来の塩基を用いた脱メチル化反応では、電子不足な基質に有効であり、電子豊富な基質には適用が困難であった。今年度、この触媒的脱メチル化反応の基質適用範囲を詳細に評価した。その結果、電子不足な基質(アセチル基、エステル基、アミド基、ハロゲン原子)に加え、電子豊富な基質(メチル基、ジフェニルアミノ基、エトキシ基)を用いた際にも、目的の脱メチル化反応が円滑に進行することを示した。加えて、1,3,5-トリメトキシベンゼンにおいて、1度の反応で、全てのメトキシ基での脱メチル化反応が進行することも示した。また、本反応では、t-Bu-P4塩基が特異的に有効な触媒であることを示した。これについて計算化学を行い、チオールが脱プロトン化して生じるチオラートアニオンについて、t-Bu-P4の嵩高さゆえに、ネイキッドアニオン状態を取ることで、高い求核性を持たせることが可能となるために、効率的に反応が進行すると解釈した。以上の有機超塩基触媒による不活性結合の変換反応に関する知見は、これまで報告されている、遷移金属を用いた反応や、化学量論量の試薬を用いる反応から、化学選択性あるいは官能基許容性の拡大に繋がるとともに、化合物の新規合成法の足がかりになる重要な知見である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)