2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Basic Properties of Chaotic Loewner Evolution and Its Application to Neuronal Morphology
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20J20867
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
柴崎 雄介 日本大学, 総合基礎科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | Loewner evolution / Complexity / Chaos / Langevin equation / Neuronal morphology / Non-equilibrium / Multiplicative noise / Anomalous diffusion |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本事業においてこれまで得られた結果の国内外学会・論文等での成果発表を行い、また本研究課題の理論面での新たな成果が得られたので報告する。具体的には、前年度に得られた成果であるレヴナー発展における時間パラメータの物理学的解釈について、更なる考察を行い、学会発表等を行なった。新規の取り組みは主に1)異常拡散への理論的アプローチとしてのレヴナー時間による変換方法の検討、及び2)時間変換を通常の確率論的レヴナー発展(SLE)に適用して得られる拡散過程と乱流におけるリチャードソン則の関連性、についてである。1)に関しては、乗算的ノイズを伴うランジュバン系を用いながら、一次元の非線形ダイナミクスの解析手法としての時間変換の有用性を示すものであり、より一般的な非平衡理論への応用、及び非定常な生体信号などへ応用可能な時系列解析手法の確立を念頭に置いたものである。この内容に関しては、Tsallis統計及び確率熱力学との関連性の観点から学会発表を行い、現在論文を準備中である。 2)に関しては発見的な成果であるが、本時間変換法のSLEへの適用により、乱流理論として一般に知られるリチャードソン則に従う拡散過程を解析的・数値計算的に示したものである。本成果は、これまでの成果(カオス力学系による駆動関数の構成)の更なる応用により、乱流のより微視的な構造を記述するモデルとして機能することが見込まれる。 また、本時間変換法により、前年度までに得られた非平衡系としてのレヴナー発展の理論に対する統一的な解釈に関して見通しが良くなった。例えば、離散的なレヴナー発展の駆動過程に現れるカオティク・アトラクターは、時間変換後のダイナミクスの定常性に関与するということが示唆される。本事業の成果は今後、レヴナー発展をより一般化した領域依存的な等角写像系による変換を考えていくことで更なる発展が望まれる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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