2022 Fiscal Year Annual Research Report
金属カルベン反応に立脚したアミド化学の新展開と生物活性分子の合成
Project/Area Number |
20J20933
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
橋本 佳典 千葉大学, 医学薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | インドール / 生物活性天然物 / アルカロイド / 多様性指向型合成 / 不斉合成 / 酵素反応 / ねじれ型ウレア / イリド |
Outline of Annual Research Achievements |
①昨年達成した、インドールアルカロイド群の網羅的な形式不斉合成法の開発において、不足していたデータの収集及び論文執筆を行い、国際雑誌に投稿した。本合成経路は計20種類以上のモノテルペンインドールアルカロイドにアクセス可能であることに加え、合成経路中盤で触媒的に不斉を導入するため、逆のエナンチオマーも入手できる。これにより、天然物の両エナンチオマーの生物活性試験が可能となるため、今後創薬科学的に重要な手法となり得る。 ②ねじれ型ウレア基は、平面ウレアとは異なり、興味深い物性や反応性を示すことが知られている。しかし、これまで多くの研究がなされてきたにも関わらず、ねじれ型ウレア化合物の合成法は極めて限定的である。申請者は以前に、2つのカルボニル基に挟まれたジアゾ基を有する、環状ウレア誘導体に対して酢酸ロジウムを作用させることで、橋頭位にウレア窒素を持ち、かつイリドになっている「ねじれ型ウレアイリド」を中程度の収率で得ることに成功している。このような化合物の単離報告例は無く、またカラムクロマトグラフィーで単離可能なほど安定であるため、その物理化学的性質や反応性は極めて興味深いと考えた。研究の結果、原料のジアゾ化合物に対し、申請者が所属する研究室で開発されたRh触媒を作用させたところ、反応時間が大幅に短縮され、目的のねじれ型ウレアイリドを高収率で得た。次に誘導体化の検討を行った結果、エタノール中、80 ℃で3時間加熱することで、ウレアC-N結合間に形式的にカルボニル基が挿入された環拡大生成物を得ることに成功した。このような環状ウレアの環拡大反応は初の報告例であり、現在反応機構の解明を進めている。 最後に、密度汎関数法に基づく理論計算により、本化合物の安定性を評価した。その結果、想定される分解反応の活性化エネルギーが非常に高く、化合物が室温付近で安定に存在することを計算科学的に裏付けた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
共同研究先ホームページ https://wwwhomes.uni-bielefeld.de/oc1-groeger/HG/group.html
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Research Products
(3 results)