2020 Fiscal Year Annual Research Report
編集操作に対応した動的な文字列処理アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
20J21147
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
舩越 満 九州大学, システム情報科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 動的文字列処理 / アルゴリズム / 組合せ論 |
Outline of Annual Research Achievements |
文字列データから有用な知識を効率的に獲得する動的アルゴリズムの考案を目的として研究を行った. まず,文字列が編集された際に,編集後の文字列中の最長回文を求める問題に取り組んだ.編集前の文字列に対して O(n) 時間・領域の前処理を行うことで,クエリ入力として1文字編集(置換,挿入,削除)操作が与えられた際に,編集後の文字列中の最長回文を O(min{log σ, loglog n}) クエリ時間で求めるアルゴリズムを考案した.ここで σ はアルファベットサイズである.さらにこの問題の一般化として,クエリ入力が部分文字列編集操作であるような問題設定についても考え,O(n) 時間・領域の前処理で O(L + loglog n) クエリ時間で解くアルゴリズムを提案した.ここで L は編集後の部分文字列の長さである.この成果は国際学術雑誌 Theoretical Computer Science に採択されている.さらに,クエリ入力が部分文字列編集操作である問題に対して,より詳細な文字列組合せ的性質と文字列データ構造と組み合わせて用いることでその手法を改善し,前処理の時間領域はそのままに O(L + min{log σ, loglog n}) クエリ時間で解くアルゴリズムを提案した.この結果は国際学術雑誌への投稿準備中である. また,テキスト中に等間隔に出現しているパターンの出現を効率的に検出する問題について,動的な処理を行うための基盤/準備として、まずは静的な場合の効率的な処理に取り組んだ.出現数の数え上げおよび出現位置の列挙をそれぞれ効率的に行うアルゴリズムを考案した.この成果は国際会議 31st Annual Symposium on Combinatorial Pattern Matching に採択され,口頭発表している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで取り組んでいた「文字列編集時における最長回文クエリ」について,引き続き取り組んだ.まず,これまで得られていた成果をまとめ,国際学術雑誌 Theoretical Computer Science に投稿し,採択された.さらに,文字列データ構造と文字列組合せ的性質を用いることでその手法を改善し,より良い成果が得られた.この成果は現在国際学術雑誌への投稿準備中である. 他にも,パターン文字列がテキスト中に等間隔に出現しているかどうかを効率的に判定するアルゴリズムの開発を行い,国際会議 31st Annual Symposium on Combinatorial Pattern Matching に投稿,採択された. 上記に加え,編集前後の文字列中の特徴量の変化に関して複数の成果が得られており,今後随時国際会議に投稿予定である. 以上の通り,期待通りに研究が進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
編集操作に対応した動的な文字列処理アルゴリズムの開発を目的として,上述の通り順調に成果が得られている.今後も現状の方針に基づき研究を行なっていく予定である.
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Research Products
(4 results)