2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J21196
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 徳仁 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | シェリング / フランス革命 / 哲学と宗教 / 神話 / 自由 / 歴史哲学 / 信仰と知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで政治・社会思想史の文脈で語られることの少なかったF・W・J・シェリングの思想を当時の政治革命や社会状況のもとで再考することを目的としている。その遂行にあたって、採用第三年度では以下の三点の成果を得た。 第一に、昨年度から引き続き、1840年代以降のシェリングの政治哲学について研究した。昨年度は『神話の哲学』に重きをおいて読解したのに対して、今年度は『啓示の哲学』にひそむ政治思想的アスペクトを詳らかにした。特に、先行研究者であるジェラール・ベンスーサンやサイティヤ・ブラータ・ダスの『啓示の哲学』研究を批判的に検討しながら、分析を進めた。その成果は、日本シェリング協会の全国大会において報告し、その後査読を経て論文掲載されることとなった。 第二に、第一の点を遂行するなかで、初期から後期までを貫くシェリングの政治思想的理念を「哲学的宗教」という後年の構想を基に再構成することができた。これによって、初期から後期までの彼の政治思想を整合的に読むことが可能となった。 第三に、以上の成果をふまえて、全四章からなる博士論文「反政治の黙示録としての哲学と宗教――シェリング政治哲学研究序説」を作成し、所属機関に提出して無事に受理された。公聴会では、様々な分野の研究者との議論が行われ、本研究には、現代の問題(「ポスト世俗化」や「宗教的なものの回帰」などと呼ばれる、世俗社会と宗教原理の対立)を思想史的な視野から取り組むことに寄与できるポテンシャルがあることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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