2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J21205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小池 太智 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 14族元素 / 高反応性化学種 / π電子系 / 構造有機化学 / 典型元素化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 研究課題の目的化合物の一つとして設定していた単原子ケイ素錯体(シリロン)の反応性について調査した。すなわち、本シリロンとモノヒドロボラン、或いはモノハロボランとの反応を検討した結果、種々の高度にツイストしたケイ素―ケイ素二重結合化学種(1-アミノ-2-ボリルジシレン)に簡便に誘導できることを見出した。一方で、アミンボランとの反応では、水素転位反応、アルミニウム試薬とはルイス錯形成反応が進行することを明らかにし、シリロンの電子状態について新たな知見を得た(Chem. Commun. 2022, 58, 8061-8064)。さらにジハロボランとの反応では、これまで報告例の無かったハロゲン置換ケイ素ホウ素二重結合化学種に誘導できることも見出した。 (2) 世界で初めて安定な四員環ビニルカルベンであるシクロブテニリデンの合成を、三員環カルベンの形式的な環拡大反応によって達成した。本反応は、活性な反応点である二配位炭素を維持した状態で環骨格編集を達成した初めての例であったため、特異な構造や電子状態を有する有機化合物の合成を目指す上での新しい指針を示す成果である。また、理論計算および反応性調査を駆使することで、本化学種が高いアンビフィリシティーと電子供与能を両立した、多面性を有する新しいタイプの二配位炭素化学種であることを見出した。すなわち、ルイス酸の配位圏内においては、4電子供与配位子である"カルボン"の寄与を示す一方で、一酸化炭素固定やC-H結合に対する挿入反応を示すなど、"カルベン"としての高い反応性を併せ持っていることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)