2022 Fiscal Year Annual Research Report
生理学的薬物動態モデリング手法による化学物質リスク評価のためのヒト体内動態予測
Project/Area Number |
20J21210
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
三浦 智徳 昭和薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | アニリン / 2,6-ジメチルアニリン / 生理学的薬物動態モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒト型モデル動物および簡易生理学的薬物動態(PBPK)モデルを活用し、血液毒性等が報告されるアニリン誘導体のヒトの経口曝露量と生体内濃度を双方向に予測し、ヒト体内動態を考慮した化学物質リスクを評価することを目的とした。ラット血中代謝消失の速やかなアニリンおよび遅い2,6-ジメチルアニリンをヒト肝細胞移植マウスの単回経口投与した際の血漿中濃度を測定した。これらを基に、主要動態パラメータ値(ka ,V1 およびCLh,int)をフィッティング計算により算出し、アニリンおよび2,6-ジメチルアニリンの動物PBPKモデルを構築し、化学物質の物質量から生体内濃度を前向きに予測することを可能とした。マウスおよびヒトの体重等を考慮し、動物モデルからヒトPBPKモデルに外挿した。 アニリンおよび2,6-ジメチルアニリンのヒト尿中バイオモニタリング報告濃度はそれぞれ13.7および13.3 ng/mLと報告されている。構築したヒトPBPKモデルを用いて、これらの報告濃度を生活環境下での平均の濃度と仮定した際のアニリンおよび2,6-ジメチルアニリン反復経口曝露量を後ろ向きに予測したところ、それぞれ26および29 ug/kg/day であった。これらの経口曝露量は現行アニリンの耐容一日摂取量として報告されている7.0 ug/kg/dayを超過することが認められた。これらのことより、生活環境下でのアニリンおよび2,6-ジメチルアニリンの曝露により、ヒトに悪影響を及ぼす可能性は高いことが推察された。 以上、ヒト型モデル動物と簡易PBPKモデルを組合せ、化学物質のヒト経口曝露量と生体内濃度を双方向に予測する本研究成果は、ベンゼン環を母核とした類縁化学物質のヒト肝代謝消失を考慮するリスク評価の新手法となることが期待される。物質の量と濃度の関係をこの研究領域に提供できた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)