2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Social Networks and Social Capital among Residents in Rural Areas
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20J21233
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
片桐 勇人 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 地域活性化 / 農山漁村 / 社会的ネットワーク / 社会関係資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナ禍で調査研究が著しく滞ったものの、過去の調査データを再分析し、北海道礼文島の住民における社会関係資本と地域おこしへの関心についての関係を明らかにした。(片桐勇人,2021,「離島における住民の地域おこしへの関心に社会関係資本が与える影響: 北海道礼文島の島内・島外出身者の差異に着目した計量分析」『東海社会学会年報』(13): 89-102.)具体的には、回帰分析の結果から、離島住民が持つ「地域への信頼」という地域レベルの社会関係資本が大きいほど、年齢性別等の他の要因をコントロールしてもなお自分達が住む地域の地域おこしへの関心が高い傾向にあった。加えて、当地では島内出身者は「島の人」と呼ばれ質的に島外出身者と区別されていることが報告者の以前のフィールドワークから明らかになっていたため、島内・島外出身者の別と「地域への信頼」の交互作用項と住民が抱く地域おこしへの関心の関係を分析した。その結果、「地域への信頼」と地域おこしへの関心に正の関連があるのは島内出身者のみであり、島外出身者にはそのような関係は見られなかったことが明らかになった。
また、研究費の繰越をおこなった2021年度は、新型コロナ禍の影響に対応しつつ、新たな調査地として兵庫県丹波市・丹波篠山市を選定し、フィールドワークを行うことで現地の人々や行政などの組織との関係を構築した。国勢調査小地域のクラスター分析をおこない、両市のなかでも都市的地域、中間的地域、過疎化が進んだ地域に分類した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度からのCOVID-19パンデミックの影響で、対面接触によるフィールドワークが主体の本研究は、2020年度は実施不可能、2021年度も継続的な影響を受けており、研究計画に多大な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、引き続き兵庫県丹波市・丹波篠山市でフィールドワークを続けるのと同時に、両市の住民を対象に質問紙調査をおこない、混合研究をおこなっていく予定である。質問紙調査は、2022年度中に選挙人名簿から両市の住民を抽出、郵送により調査を実施する予定である。質問項目は、住民の属性、社会経済的地位、社会的ネットワーク、居住する集落の現状、社会関係資本等を予定している。
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