2021 Fiscal Year Annual Research Report
Non-perturbative approaches to transport phenomena in extreme QCD materials
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20J21577
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥津 明俊 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | AdS/CFT / Holographic QCD / QGP / Chiral Anomaly / Chiral Magnetic Effect |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の前半(4月-7月)では2020年度に作成したプログラムをあらためて検討し、解釈し直した。その結果、結局クオークの質量を考慮し、電流が発散しないことを考慮した場合、有限の電流部分を考えることができて(これを後に投稿する論文でオーミックカレントと呼んでいる)、それが結局カイラルアノマリーに対して逆相関を示すことがわかった。これがなぜ起こるかはわからなかったが、これを論文にまとめることにした。そこで、論文の作成が8月から9月になり、ついに9月にジャーナルに提出できた。レフェリーのコメントは一週間足りずで返ってきたが、あまりにも長文で対応に困ったので、コメントの対応や論文の訂正などに数ヶ月要した。 この間に、日本物理学会秋の大会(9月)に参加したり、中央大学での発表を行ったりした。 そして、レフェリーへの対応や、論文の訂正などがついに終わったのは2022年3月のことで、ようやくPhysical Review D に論文 "Electric conductivity with the magnetic field and the chiral anomaly in a holographic QCD model" を投稿できた。 以降、QGPに回転効果を取り入れる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナによる、対面議論や海外との共同研究の機会損失が大きい。 実は、今年度の12月以降、オランダのホログラフィックQCDのある研究者と共同でQGP中の輸送現象についての理解を深めるべく共同研究を企てていたが、コロナによってオランダでのロックダウンなどの影響で困難になった。 また、対面議論がない中、勘違いのままで終わった議論が次回以降引きずられたり、悪影響しかなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、最近注目されている、QGP中での回転によって、閉じ込め温度が上がるか下がるかを特定したのちに、輸送現象の理解へと研究範囲を拡大しようと思う。
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Research Products
(2 results)