2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neural basis underlying inter-limb coordination
Project/Area Number |
20J21594
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 辰弥 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 上肢ー下肢協調 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動に不可欠な要素である上肢と下肢の協調について、その神経基盤の解明を目的とした。前年度までの研究により、上肢の運動中に安静時の下肢の感覚運動制御を司る脊髄反射路(Kato et al., 2019)・皮質脊髄路(Kato et al., 2022)・体性感覚情報処理(Kato et al., 2022)・感覚運動統合(Kato et al., 2023)が変調することが明らかとなった。これらは、上-下肢協調のために上肢と下肢間で運動に伴う神経相互作用がなされていることを示唆する。しかし、これらの研究結果は上肢と下肢を実際に協調させている際の神経活動ではない。そこで本年度は、前年度に作成した上肢と下肢を協調させる運動課題を用いて、実際の上-下肢協調運動中の脳活動に迫った。 参加者は、右手関節屈曲と右足関節背屈で画面上のカーソルを制御し、白線に沿って動くターゲットの円の中にできるだけカーソルを入れ続けることが求められた。課題成績はカーソルとターゲットの間の距離をエラーとして評価した。課題の序盤はエラーが多かったものの、徐々に減少し、課題終盤ではエラーの減少はあまりみられなかった。この課題中に脳波を計測し、課題成績との相関を調べたところ、序盤に対側感覚運動野のθ帯(4-8 Hz)のパワースペクトル密度が高い人ほど課題の学習スピードが速いことが明らかとなった。したがって、対側感覚運動野のθ帯のパワーが上-下肢協調能力の獲得に重要な役割を果たすことが示唆された。非侵襲的脳刺激法を用いて学習中の対側感覚運動野のθ帯のパワーを高めれば、上-下肢協調能力のトレーニングやリハビリテーションを補助できる可能性があることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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