2022 Fiscal Year Annual Research Report
個体老化予防を目指した老化細胞の蓄積メカニズムの解明
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20J21945
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 徳貴 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 老化細胞 / 老化 / p16 / シングルセルRNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚創傷治癒において、創傷部位付近においてp16のmRNAの発現が一過的に上昇することが知られている。しかしながら、それが 一細胞におけるp16の発現が上昇したのか、p16陽性細胞の数の増加に起因するものなのかは明らかとなっていなかった。そこで本年度は、老化細胞のマーカー遺伝子であるp16が発現している細胞を一細胞レベルで時期特異的に標識可能なマウスモデルであるp16-tomマウスを用いて、老化細胞と皮膚創傷治癒の関係性を明らかにすることを目的に解析を行った。 まず、創傷を与えた直後にラベルした結果、創傷7日後にp16陽性細胞数が増加していることが明らかになった。加えて、時間経過とともにその細胞は除去されることなく残り続けることが明らかになり、これまで治癒後にp16陽性細胞は除去されると考えられていたが、実際には除去されないということが示唆された。また、創傷7日後にp16陽性細胞と陰性細胞に対しシングルセルRNA-seqを行ったところ線維芽細胞由来のp16陽性細胞はコラーゲンの産生が活性化していることが明らかになった。特に、コラーゲン1と3の発現が活性化していた。さらに、ラベルしたp16陽性細胞を薬剤依存的に除去可能なp16-DTR-tomマウスを用いて、創傷後にp16陽性細胞を完治までの2週間除去し続けた結果、治癒にかかる期間が1日遅れた。一方で、傷の残りであるscarは除去した方が小さかった。老化細胞は傷の塞がりを促進するが、塞がった後の完治には悪影響を及ぼすことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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