2021 Fiscal Year Annual Research Report
分子化学組成比を用いた宇宙線イオン化度の測定と宇宙線が銀河形成に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
20J22050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 勇紀 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 電波天文学 / ALMA / 銀河 / 宇宙化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度中に当初予定していた、LMT(メキシコ)での現地観測がコロナ感染症等現地事情により実施できなかったため、研究計画を一部変更し、野辺山45m望遠鏡での観測を実施した。これは、銀河系内で最近傍の星形成領域であるOrion A領域に対して、波長3mm帯の水素再結合線の広域マッピング観測を行ったものであり、本研究における観測対象天体であるNGC253中心部における、星形成率を推定する信頼度の高い手法を確立することを目的とした。本研究開始以前にLMTにおいて、波長2mm帯における水素再結合線のデータが得られていたが、野辺山45m望遠鏡の観測ではそれと比較して10倍以上広い領域の観測を行い、1桁程度のダイナミックレンジで、星形成率と水素再結合線強度との相関関係を検証するに足るデータを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたLMT(メキシコ)での現地観測およびデータ取得が、現地事情により行えなかったため、一部年度をまたぐ形で研究計画を変更し、野辺山45m望遠鏡での観測を行うことになった。当初の予定より遅れているが、野辺山45m望遠鏡の高い掃天能力を生かして、広い領域での水素再結合線のデータが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
Orion A領域で得られた水素再結合線のマッピング観測データを用いて、NGC253中心部のような減光の激しい領域での信頼できる星形成率推定手法を確立する。並行してALMA望遠鏡で観測を進めているNGC253中心部におけるOH+/H2O+分子の直接観測のデータが得られ次第、実際のNGC253中心部の星形成率も制御パラメータにしつつ、本研究の目的である宇宙線イオン化度の推定に取り組む。
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Research Products
(1 results)