2022 Fiscal Year Annual Research Report
Cr:ZnSを用いた中赤外超短パルス光源の開発とアプリケーションの新規開拓
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20J22067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡崎 大樹 京都大学, 化学研究所, 助教
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 中赤外 / 超高速 / レーザー / Cr:ZnS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,これまでに開発してきたCr:ZnSモード同期レーザーのさらなる高機能化を目的としている.昨年度,分子振動の共鳴周波数とリンクしたスペクトルピーク構造を,Cr:ZnSモード同期レーザーが示す広帯域スペクトルに畳み込むことに成功した.この成果は,分子振動の共鳴周波数を使用した新規な周波数安定化による光周波数コムの実現可能性を示唆している. 本年度はモード同期に関する自作の数値計算プログラムを作成し,得られたスペクトルピーク構造の形成メカニズムの解明を行った.光共振器中のレーザー結晶においてフェムト秒パルスが誘起する強い非線形位相シフトにより,フェムト秒レーザーパルスと分子からの放射光とが強め合いの干渉を起こすことで狭線幅なスペクトルピーク構造が形成されることが分かった.この現象は光ファイバー中で報告されているスペクトルピーキング現象に類似していることが確認された.また,実験において,適切な光学調整によって左右対称な狭線幅スペクトルピーク構造を実現することに成功した. 本研究で得られた,狭線幅のスペクトルピーク構造を分子の振動回転遷移周波数において随伴するレーザーは,エネルギーを特定の周波数成分へと局在させることで分子との反応性を向上させた新規な振動分光用光源としての応用展開も期待できる. 以上の成果をまとめ,Optics Letters誌,及び,国内外の学会にて報告した. また,通常型のCr:ZnSモード同期レーザーを使用した電子操作に関する応用研究,ならびに,高速微小分子検出に関する応用研究を進めた.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)