2021 Fiscal Year Annual Research Report
サゴヤシを商品作物として持続的に栽培するためのアーバスキュラー菌根菌利用技術開発
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20J22186
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅野 航輝 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 土壌分析 / サゴヤシ / タイ南部 / 植物-微生物相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主として4つの研究を実施した。 2021年9月から2022年8月にかけて、タイ王国のカセサート大学カンペンセンキャンパスに滞在して研究を実施した。 (1)2022年1月にはナコンシタマラート県の異なる4つのサゴヤシ圃場に訪問し、サゴヤシ根と土壌の採集を行なった。また、比較対象としてアブラヤシの圃場からもサンプルを採取した。(2)圃場にて採取したサゴヤシの根サンプルから、アーバスキュラー菌根菌の感染率を測定した。さらに、詳細な土壌の物理化学特性の分析を行うことで、土壌性質との関連を考察した。サゴヤシ圃場のアーバスキュラー菌根菌密度は、土壌の水分含量にもっとも大きく負に影響し、次に土壌の全リン含量に影響することが分かった。得られた成果は、令和3年度愛知県農学系4機関による研究交流会で発表した。(3)採取したサゴヤシ根と土壌からDNAの抽出をした後、アーバスキュラー菌根菌と窒素固定菌に特異的なプライマーを用いてPCRを実施した。増幅したPCR産物の解析は、次年度に行なった。(4)前年度に単離した窒素固定菌の植物生育促進効果をトウモロコシへの接種・栽培することで評価した。結果、単離した一部の種類の菌においては、葉面積および地上部乾物重量が大きくする効果があることが分かった。 また、前年度に得られた成果の一部(サゴヤシ圃場におけるアーバスキュラー菌根菌胞子密度)を2022年6月に、第31回サゴヤシ学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに、圃場での試料採取が終了し、アーバスキュラー菌根菌密度と土壌の物理化学性との関連を明らかにすることができたため、ある程度の進捗は得られた。しかし、前年度からの新型コロナウイルス感染症の影響による遅延のため、当初の予定が先送りとなり、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、名古屋大学にて、本年度に得られた核酸試料の分析、データの解析を行い、成果を投稿論文と博士論文にまとめることで研究を推進させていく予定である。
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