2022 Fiscal Year Annual Research Report
転写後遺伝子発現制御における内在性ウイルス由来配列の寄与
Project/Area Number |
20J22607
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北尾 晃一 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 内在性レトロウイルス / 転写後遺伝子発現制御 / RNAエレメント / RNA結合タンパク質 / トランスポゾン / ゲノム進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、内在性レトロウイルスに由来するRNAエレメントSPREの分子メカニズムの解明を試みた。SPREは3つのRNA配列モチーフで構成される。SPREに結合するタンパク質を同定するため、3つの配列モチーフすべてに変異を入れた変異体SPREと野生型SPREのビオチン化RNAを合成し、293T細胞抽出液を用いたプルダウンアッセイと質量分析による結合タンパク質の同定を行った。同定したタンパク質のうち、RNA結合タンパク質であるHNRNPKが野生型SPREに特異的に結合することがわかった。次にHNRNPKを標的とするsiRNAとSPREのレポータープラスミドを293T細胞に共導入した結果、HNRNPKをノックダウンした場合はSPREによる遺伝子発現促進効果が弱まることが明らかとなった。一方で、HNRNPKのノックダウンは細胞の形態異常を引き起こしており、大規模な細胞状態の変化がSPRE活性へ間接的に影響している可能性も考慮する必要があるものの、本年度の結果により、HNRNPKがSPREの機能に関わるRNA結合タンパク質であることが強く示唆された。 また、SPREが宿主のゲノム進化に与える影響を調べるため、配列解析によるSPREをもつヒト遺伝子の網羅的な同定を行った。その結果、タンパク質をコードしないスプライシングバリアントやノンコーディングRNAを含めると約80の転写物がSPREをもつことが明らかとなった。これらの結果は、SPREがこれらのヒト遺伝子の制御ネットワークに影響する可能性を示唆している。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)