2022 Fiscal Year Annual Research Report
活動依存的かつ出力特異的な新規細胞標識法の確立と適切な社会性行動の脳内機構解明
Project/Area Number |
20J22665
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 圭一郎 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
|
Keywords | 扁桃体海馬野 / 内側視索前野 / 神経回路 / 行動薬理 / セロトニン / 社会性行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに、雄マウスの養育行動に重要な脳領域である内側視索前野 (MPOA)に出力する扁桃体海馬野(AHi)ニューロンを攻撃時に活性化するニューロン集団(Iニューロン) と養育時に活性化するニューロン集団(Pニューロン)を分類することに成功した。2022年度は昨年度に実施したsingle-cell RNA-seq(scRNA-seq)の情報を基に、特定のニューロン集団を活性化させることで仔マウスに対する行動が変化するかを検討した。 scRNA-seq解析より、Pニューロンで発現レベルが高かったHtr7 (5-hydroxytryptamine receptor 7)に着目した。Htr7から翻訳されるセロトニン受容体7型(5-HT7受容体)はGsタンパク質共役型受容体であり、神経の脱分極や可塑的変化を引き起こすことが知られている。そこで、5-HT7受容体のアゴニストであるLP44を処置することでHtr7が多く発現してるPニューロンを活性化させることができるかを調べた。IニューロンとPニューロンをそれぞれ標識したマウスにLP44を腹腔内投与しc-Fosの免疫染色を行ったところ、Pニューロンでのみ有意な活性化が見られた。そこで、LP44をAHiに局所投与し、Pニューロンを薬理学的に活性化させることで、交尾未経験雄マウスでみられる仔マウスへの攻撃行動が減弱するかを確かめた。その結果、LP44投与前に見られていた攻撃行動が投与後には抑制され、養育行動が促進された。 また、IニューロンとPニューロンの電気生理学的な特徴を脳スライスパッチクランプ法にて探索した。その結果、PニューロンはIニューロンと比較して静止膜電位が脱分極側にシフトしており、入力抵抗が小さいことが明らかになった。以上より、IニューロンとPニューロンは電気生理学的特性が異なっていることが示された。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|