2020 Fiscal Year Annual Research Report
RNA修飾を介した植物ウイルス免疫機構に関する研究
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20J23036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 雅展 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 植物ウイルス / RNA修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物ウイルス病防除においては、植物に備わる抵抗性の利用が効果的であり、植物ウイルスに対する防御応答機構の解明はウイルス防除戦略構築の基盤として重要である。近年、真核生物のmRNAに付加される多様な修飾が、mRNAの細胞内局在や安定性、翻訳効率に影響を与え、遺伝子発現制御に重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。植物ウイルス感染におけるRNA修飾全般の役割はほとんどわかっていないが、RNA修飾の除去を行う酵素のホモログをコードする植物ウイルスの存在が知られていることから、ウイルスRNA修飾が植物の防御応答として機能することが示唆される。本研究では、RNA修飾がウイルス感染において果たす役割を解明することを目的としている。 今年度は、植物ウイルスRNAに存在する修飾の同定の検討を行った。効率的にウイルスRNA修飾を同定するために、まずウイルスRNAの濃縮方法を検討した。その結果、ウイルス感染植物の抽出RNAに対し、ウイルスRNA特異的に設計したプローブを用いてアフィニティ精製を行うことで、高濃度のウイルスRNAを得ることに成功した。現在、濃縮系が様々なウイルスRNAに対して適用可能か確かめるとともに、RNA修飾の同定系の検討を行っている。他方、植物ウイルス病防除の基盤となる知見を得るため、ウイルス配列情報の解析および疫学的解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルスRNAの濃縮方法を確立し、1年目の目標としていたウイルスRNAに存在する修飾の同定を進めていることから、概ね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、様々なウイルスRNAに存在する修飾の同定を行う。また、同定したRNA修飾の機能解析を行う予定である。
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