2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J23226
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
福嶋 宏之 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | シンチレータ / 単結晶 / 酸化ハフニウム / フォトルミネッセンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では酸化ハフニウム系材料の1つであるCaHfO3の単結晶育成を行い、そのシンチレーション特性評価を行った。CaHfO3の密度は高く、実効原子番号も大きいためX・γ線検出用シンチレータとして有力な候補であるが、一方で融点が2400度程度と非常に高いため、これまで単結晶育成報告が無かった。通常の単結晶育成装置では最高温度2100度程度までしか上昇できないが、高出力のキセノンアークランプを4基搭載したフローティングゾーン法では最高温度3000度まで上昇可能であるため、高融点材料であるCaHfO3の単結晶育成が可能となった。初めに育成条件の確立のために無添加サンプルを作製した。その結果原料粉末として使用する酸化カルシウムを化学量論組成から10%増加させることで安定して単結晶が得られることが判明した。これは酸化カルシウムが高温で揮発するためであると考えられる。この育成条件の元で発光中心としてCeを0.3、1、3%添加したサンプルを作製した。いずれも無色透明なサンプルが得られ、粉末X線回折 (XRD) の測定結果でも単相のCaHfO3が得られたことを確認した。Ce添加CaHfO3単結晶では430 nm付近にブロードなピークが観測され、その減衰時定数は25 ns程度であったため、これはCe3+の5d-4f遷移由来の発光であると考えられる。シンチレーション発光量を定量的に算出した結果では、3%Ce添加サンプルがおよそ8900 photons/MeV程度と高い発光量を示した。この値は現在実用化されているBi4Ge3O12 (BGO) 単結晶よりも高い値である。加えて減衰時定数も25 ns程度とBGO単結晶の減衰時定数である300 nsよりも高速であるため、BGO単結晶のシンチレーション特性を凌駕する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではCe添加CaHfO3単結晶は実用されているBGO単結晶よりも発光量が高く、蛍光寿命も短いため、新規X・γ線検出用シンチレータの候補として有望であることを見出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
CaHfO3よりも密度が高いSrHfO3やBaHfO3は更なるX・γ線検出効率の向上が期待される。Ce添加SrHfO3及びBaHfO3に関しては透明セラミックスにおけるシンチレーション特性報告が行われているが、単結晶における評価はまだない。初めに無添加材料において育成条件を確立し、その後Ceなどの発光中心元素を添加して単結晶育成を行う。現在は発光中心元素としてCeのみを添加しているが、今後は他の発光中心元素も検討し、高発光量を示す材料を探索する予定である。
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Research Products
(5 results)