2021 Fiscal Year Annual Research Report
初期視覚野における行動目的依存的な神経細胞が担う認知機能の解明
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20J23228
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 慶 名古屋大学, 創薬科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 神経回路 / 2光子顕微鏡 / ウイルスベクター / 視覚 / 大脳皮質 / 行動生理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 大脳皮質に存在する行動目的依存的な神経細胞群の機能解析を目的とする. マウスの大脳皮質を対象とし, 単一細胞が判別可能な 2光子 in vivo カルシウムイメージングを行う. イメージングに加えて最新のウイルスベクターおよび行動実験を組み合わせ, これまで明らかにすることが難しかった特定の神経回路や領野に着目した回路レベルの機能を, 動物の行動と対応付けて明らかにする. 本年度は, 行動実験用装置の改良, 新規ウイルスベクターの設計と作成, 作成したウイルスベクターを投与したマウスと2光子顕微鏡を用いた神経活動の取得を行った. マウス脳において, 目的とする発現パターンにて蛍光タンパク質を発現させるために新規ウイルスベクターの作成を行った. 作成したウイルスベクターをマウスに投与し, 薄切切片および in vivo 2光子イメージングにて設計意図に従った蛍光タンパク質の発現パターンを示したことを確認した. イメージングに適するウイルスベクターの投与条件を決定した後, 複数のマウスにて行動実験中の神経活動記録を行い, 異なる発現パターンで神経細胞を標識した個体より神経活動を取得することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は, 作成したウイルスベクターを用いることで特定のパターンでの神経細胞の標識を達成できた. さらに異なるパターンで標識を行った個体から, 経路および領野特異的な神経活動を記録することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, 確立した実験系を用いて複数の個体から神経活動を記録し再現性を確認する. 複数のウイルスベクターおよび遺伝子改変動物を導入することで, 目的とする神経細胞特異的にカルシウムインジケーターを標識し, サブネットワークレベルでの神経活動の機能解析を行う. さらに, 光遺伝学を用いた機能欠損実験を行うことにより, 神経活動と行動との因果性を検証する.
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