2020 Fiscal Year Annual Research Report
知能処理の回路化とロボットプラットフォームへの適用
Project/Area Number |
20J23242
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 智寛 九州工業大学, 生命体工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | ホームサービスロボット / 物体検出・認識 / シミュレータ / データセット生成 / ハードウェア実装 / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
ホームサービスロボットに必要な機能の中でも,認知機能の獲得を目指し,深層学習に必要なビッグデータを高速に自動で生成するために,3次元物理演算シミュレータを用いた手法の実現を目指す.本研究の実現には,①物体の3Dモデルの作成,②3次元物理演算シミュレータでの物体生成,③データセットの生成といった3項目の達成が必要である. まず,項目①について,高精度な3Dモデルが必要であるため,EinScanSPを用いて3Dスキャンを行った.1物体あたり約30分でモデルを作成することができた.次に,項目②について,家庭環境を模した環境を作成し,乱雑に物体を散らばせた.最後に,項目③について,様々なカメラ角度・照明環境・家具などのテクスチャ環境を乱雑に変更させ,物体を撮影し,物体の領域を抽出することで,データセットを生成した.この手法は,1時間あたり10万枚の画像を生成することができている. 本研究は,ホームサービスロボットのベンチマークテストとなっているRoboCup@Homeにおいて使用した.シミュレータのみで生成した画像でインスタンスセグメンテーションのモデルを学習し,高精度な物体認識を実現することができた.この成果は,国内大会において優勝に大きく貢献した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,環境認識と自己位置推定を行うSLAM技術を高速・低消費電力で行うために,ハードウェア実装を行う予定であったが,ホームサービスロボットにおいて最もネックとなっていた認知機能の獲得を優先して行った. 本研究で提案したシミュレータを用いたデーセット生成手法は,非常に高速で大量のデータを生成することが可能で,物体検出・認識モデルを学習した結果,非常に頑健な認識精度が得られる事がわかっている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,ホームサービスロボットの実用化に向けて,更に発展した認知機能の獲得や,高速・低消費電力で動作するSLAM技術や物体把持技術などの研究を行っていく. 認知機能の獲得においては,精度検証やデータ生成にかかる時間の短縮を行っていく予定である.また,シミュレータの利点を活用し,物体把持用のデータセットを同時に生成できるように改良していきたい.更に実用化を見据え,現在3Dスキャナを用いて3Dモデルを作成している部分を,ロボットが自ら行うことができないか検討していきたい.
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