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2021 Fiscal Year Annual Research Report

The effect of direct and indirect social bonds on the fitness of Japanese macaques.

Research Project

Project/Area Number 20J23276
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

山口 飛翔  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2020-04-24 – 2023-03-31
Keywordsニホンザル / 性的威圧 / 社会的絆
Outline of Annual Research Achievements

令和3年度は、9~12月の交尾期に計85日間、2~3月の非交尾期に計44日間宮城県金華山島で野外調査を行った。交尾期はオトナ・メス6頭を個体追跡し、オスからメスへの攻撃と休息中のメスの凝集性についてデータを収集した。また、オスの攻撃がメスにもたらすコストを調べるためにメスの怪我について記録したほか、メスの発情状態を把握するためにホルモン分析用の糞サンプルも採集した。前年同様に第一位オスが群れを頻繁に出入りしたことに加え、発情メスが群れ外オスとコンソートして群れを離れることが多かったためデータ収集は難航したが、必要最低限の量のデータは収集することができた。また、第一位オスの群れへの頻繁な出入りという、これまで報告されていない特異な行動についても詳細に記録できた。非交尾期はオトナ・メス16頭を個体追跡し、交尾期と比較するためのデータを収集したほか、メス間の親密度を調べるために個体間の毛づくろいや近接関係のデータを収集した。この期間は第一位オスの動向が落ち着いたことで群れのまとまりが保たれ、十分な量のデータを収集することができた。また、3月には10頭のアカンボウが誕生し、父子判定のためのDNA試料も採集できた。
野外調査以外では、前年度までのデータの入力と分析に注力し、本研究の仮説通りオスの攻撃がメスの怪我の原因となっていること、交尾期にメスが凝集性を高めることでオスの攻撃を回避している可能性があることを示すことができた。この成果の一部を7月の霊長類学会大会で口頭発表し、優秀口頭発表賞を受賞した。本研究のもう一つの仮説であるメス間の社会関係と凝集性の関連についても、現在分析を進めている。それ以外では、本研究にも関連する第一位オスの特異な行動とそれに関連する群れの凝集性の変動について和文論文を2本発表したほか、英語論文を1本執筆して学術雑誌に投稿した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和3年度は新型コロナウイルスの流行が前年より落ち着いたことで、野外調査は概ね予定通りに行うことができた。交尾期には、第一位オスが群れを頻繁に出入りしたことに加え、発情メスが群れ外オスとコンソートして群れを離れることが多いなど、予期せぬ事態が多発したが、根気強く調査を続けたことで概ね予定していた通りのデータを収集することができた。一方で、春にアカンボウが1頭も生れなかったことで、オスからアカンボウに対する攻撃のデータなど、一部のデータについては予定通りには収集できなかった。非交尾期は群れが落ち着いたことで、非交尾期と比較するためのデータとメス間の親密度に関するデータを予定通り収集できた。
データ入力と分析についても、一部の結果については学会発表や論文執筆を行うなど、一定程度の成果を上げることができた。一方で、予定していたよりも入力と分析が進んでいないデータもあり、糞サンプルを用いたホルモン分析や遺伝子解析にあまり着手できなかったことは反省点である。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度は、まず昨年まで収集したデータの入力と分析に注力する。得られた結果については、国内外の研究会や学会で発表を行い、結果の解釈や分析の妥当性について他の研究者と議論を重ねる。その後、得られた意見をもとにデータの再分析を行い、英語論文としてまとめて国際誌に投稿し、年度内の受理を目指す。野外調査としては、6月に宮城県金華山島でアカンボウの出生状況の確認と父子判定で使用するDNA試料の採取を行う。また、もしデータ分析を進める過程でさらにデータ量が必要だと判断された場合には、9~12月の交尾期に不足分のデータを収集する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021 Other

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 金華山のサル・2020年交尾期におけるB1群中心オスの動向2022

    • Author(s)
      山口飛翔
    • Journal Title

      宮城県のニホンザル

      Volume: 35 Pages: 1-12

    • Open Access
  • [Journal Article] 金華山のサル・交尾期に群れの内から離れて行動するメス -「アカネ」のその後-2022

    • Author(s)
      山口飛翔
    • Journal Title

      宮城県のニホンザル

      Volume: 35 Pages: 26-32

    • Open Access
  • [Presentation] 金華山島の野生ニホンザルにおいて群れ外オスの攻撃がメスに及ぼす影響の検討2021

    • Author(s)
      山口飛翔
    • Organizer
      第37回日本霊長類学会大会
  • [Remarks]

    • URL

      https://researchmap.jp/tsubasa.yamaguchi

URL: 

Published: 2022-12-28  

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