2020 Fiscal Year Annual Research Report
超高速動画並列イメージング顕微鏡法の創成とその応用に関する研究
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20J23542
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 智好 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | ホログラフィ / 超高速イメージング / 超短パルスレーザ / 光伝播 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究計画として,超高速動画並列イメージング顕微鏡法において偏光の伝播を拡大してスローモーション記録する方法について実験的検証を行った.これまでに提案している超高速イメージング技術の特徴として,超短パルスレーザに代表される時間的低コヒーレンス光源を用いて干渉縞を記録することがある.このような低コヒーレンス光源から発せられる光は,極めて短い領域において干渉縞を形成する.顕微鏡光学系導入時には,観察領域や記録対象によって極めて短い領域において干渉縞が偏光伝播の像に対して影響があると考えた.そこで,これまでに実証している超高速動画イメージング技術の理論的検証を行い,さらに取得できる光伝播の像の形状および性質の解析を行った.像の形状および性質の解析には,極めて短い領域で形成される干渉縞のサイズに考慮できる像再生計算アルゴリズムを構築し,パラメータを調整したのち行った.パラメータは,超短パルス光によって形成される干渉縞のサイズや記録撮像素子の画素サイズ,記録対象である偏光が伝播する領域の大きさなどを採用した.その結果,当該技術で得られる光伝播の像の解像度は,再生に用いるホログラムの大きさに一定の関係性があることを実験的に明らかにした.また,使用する光のパルス幅と記録時の光学系の各種光学素子の配置に影響を受けることも明らかにした.本成果は,国際会議および学術論文で発表を行った(T. Inoue, et al., Applied Optics 60, B59 (2021).).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
超高速動画並列イメージング顕微鏡法において,偏光の伝播を拡大して記録・再生する方法の実験的検証を行った.これまでに実証している超高速動画イメージング技術で取得できる光伝播の像の形状および性質の解析を行った.その結果,当該技術で得られる光伝播の像の解像度は,再生に用いるホログラムの大きさに一定の関係性があることを実験的に明らかにした.また,使用する光のパルス幅と記録時の光学系の各種光学素子の配置に影響を受けることも明らかにした.以上の研究内容は査読付き国際学術論文誌9編(内筆頭著者3編)に受理または掲載され,また多数の学会発表の業績を上げた.以上,期待以上の研究進展があった.
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Strategy for Future Research Activity |
記録時の光学素子の組み合わせ・配置については,レンズ系で生じる収差を光線追跡法に基づき,計算機シミュレーションで検証を行う予定である.また,現在は,これまでに提案している超高速イメージング技術で実際の物体への適用条件の探索を行っている.これまでに実証実験で用いている光を伝播させる物体は,実証実験の複雑性を排除するため平面上の物体を採用し,2次元方向の変化に伝播する光を記録・観察していた.そこで試料の用意と使用が簡便であるゼラチン等を利用して,生体試料を模した試料物体を作製する.作製した試料に光を伝播させて,超高速イメージング技術により記録・観察を行うことを予定している.
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Research Products
(13 results)