2020 Fiscal Year Annual Research Report
逆デュアルフロー形式の応用によるGPUの高性能・高電力効率化
Project/Area Number |
20J23642
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 玲央馬 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
|
Keywords | 計算機アーキテクチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,提案手法の基本方式の検討を行った上で,シミュレータへの実装を行った.本研究では,GPUの動作をサイクル単位でシミュレーションを行うGPUシミュレータ「GPGPU-Sim」に提案方式を実装した. はじめに,(1) 提案方式でプログラムの実行を行えるようにシミュレータを修正し,その後 (2) 提案方式でテスト・プログラムを実行させるために必要な実行プログラムの変換手法の確立を行った.また,提案方式のデバッグ作業を容易に行えるようにするために,(3)プロセッサの実行の様子を可視化するツールである「Konata」を用いて,GPGPU-Simでの実行の様子を可視化できるように実装を行った. (1)および(2)により,比較的単純なテスト・プログラムにおいて,プログラムの変換前と変換後で実行結果が一致しており,実装した提案方式が正しく動作していることが確認できた. また,本研究ではメモリアクセスの並び替えを行うための方法の検討を行った.従来のGPUではメモリアクセスの順序を並び替えることはないため複雑なハードウェアは必要なかったが,本研究ではメモリアクセスの並び替えを伴うため,これを小さなハードウェアコストで実施する方法を考える必要がある.検討の結果,バリアを適宜入れる方法や,メモリアクセスに静的にカラーリングを施しそれらの間でだけ依存を守る方法が考案された.今後は前述のシミュレータの上に検討した方法を実装し,その評価を行う予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で想定するデュアルフロー形式は従来の命令形式とは大きく異なる命令の構造を持つため,それをシミュレータ上に実装するのは容易ではないが,現在は最低限の動作を確認できるところまで実装が進んだのを確認していることから,おおむね順調に目標を達成していると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,より複雑な制御構造を含むテスト・プログラムを提案方式で正しく実行できるように,実装したデバッグ手法等を駆使して実装を行い,性能評価を行う予定である.また,GPGPU-Simに含まれている電力シミュレータ「GPUWattch」に提案方式を実装し,電力評価を行う予定である.
|