2021 Fiscal Year Annual Research Report
逆デュアルフロー形式の応用によるGPUの高性能・高電力効率化
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20J23642
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 玲央馬 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 計算機アーキテクチャ / GPU / プロセッサ / 命令レベル並列性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,提案手法の有効性をより向上させるため,提案手法の方式に変更を加え,ソフトウェア・シミュレーションを用いて提案手法の有効性を確認した.当初の予定では,提案手法が実行する命令は全て逆デュアルフロー形式であるという想定だったが,実行命令数が大きく増加してしまうという問題が生じた.これを解決すべく,逆デュアルフロー形式に変換しない形式の命令もサポートするように提案手法に変更を加えた.変更後の提案手法では,命令数が増えすぎてしまう命令列は逆デュアルフロー形式への変換を行わないことで,実行命令数の増加を回避することができる.これにより,提案手法はより効率よく性能を向上させられるようになった. 提案手法の有効性を確認するために,ソフトウェア・シミュレーションによる検証を行った.本研究では,GPUの動作をサイクル単位でシミュレーションを行うGPUシミュレータ「GPGPU-Sim」に提案方式を実装した.プログラムの提案手法形式への変換は,自作のスクリプトによる変換及び手作業による修正にて行った.NVIDIAが提供しているCUDA Samplesベンチマークや,Rodiniaベンチマークを用いて評価を行った結果,提案手法は既存のGPUよりも17.6%性能を向上させられることを確認した.また,エネルギー効率を6.1%改善させられることを確認した. 今後は,より広範なベンチマークを用いた評価を行うとともに,提案手法をFPGA上へ実装し,資源量や現実に即したハードウェアでの評価を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
提案手法において,実行命令数が増えすぎてしまう問題を解決するために,一度提案手法に変更を加えることになった.そのため,提案手法のソフトウェア・シミュレータへの実装や評価実験をもう一度行うことになり,当初の研究計画から遅れが生じてしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,提案手法の有効性をより強く主張するために,さらに広範なベンチマークを用いた評価実験を行う予定である.また,提案手法のFPGA上への実装を行う予定である.より現実に即したハードウェアの詳細策定を行い,資源量の評価や詳細な性能解析を行う.
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