2022 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノ構造を駆使した光トラッピングに基づく化学反応制御の開拓
Project/Area Number |
20J23762
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
永井 達也 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 光ピンセット / 光圧 / 温度応答性高分子 / 液液相分離 / 励起エネルギー移動 / ナノ構造 / ドロップレット |
Outline of Annual Research Achievements |
①PVMEを用いた内部極性可変の高分子ドロップレットの形成 光圧で形成できる単一の高分子ドロップレットは、内部の環境(極性環境、粘度など)を光圧で簡単に制御できる可能性があるが、これまで実現されていなかった。本研究ではこれまでのレーザー誘起高分子ドロップレットの対象であるPoly(N-isopropylacrylamide) (PNIPAM)に代わり、Poly(Vinylmetheylether) (PVME)を用いることで内部の極性環境を光圧で制御可能なドロップレットの形成に成功した。 ②レーザー誘起PVMEドロップレットを反応場とした励起エネルギー移動の光圧制御 励起エネルギー移動 (FRET)は一般的に、ドナーとアクセプターの組み合わせ、濃度、溶媒種を決めるとその効率は一義的に決まる。本研究で見出したレーザー誘起PVMEドロップレットを"場"として利用することでFRET効率をレーザー出力を増減するだけで、15 %から75 %と広範囲で可逆的に制御することに成功した。励起エネルギー移動は、光化学反応の素過程であり、光圧により化学反応を促進・抑制を可逆的に制御できる新規反応場を提供できる。 ③単結晶Siナノ構造を利用した光ピンセットによる内部極性可変の高分子ドロップレットの形成 これまで光圧を用いて形成したPNIPAMドロップレットの内部の環境はレーザー出力や高分子の濃度に依らず一定であった。本研究では、単結晶Siのナノ構造による増強光圧を利用して形成したPNIAPMドロップレットでレーザー出力により内部の極性環境を制御できることを見出した。本手法を用いれば、高分子の構造に依存せず内部環境を制御可能な単一ドロップレットを形成することができる。高分子に反応活性部位を修飾するなど、ドロップレット反応場の性質を拡張することができると考えている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)