2020 Fiscal Year Annual Research Report
Anthropology of becoming and sustainment of arts: Case studies of markets and valuation in Nigeria and Japan
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20J40017
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
緒方 しらべ 関西外国語大学, 外国語学部, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 文化人類学 / アート / ナイジェリア / フィールドワーク / オンライン調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アートの制作、流通、消費に関わる人・モノ・コト・制度などの諸存在に注目することを通して、アートを生成し、持続するコンテクストがどのような微細なやり取りの中で生まれているのかを明らかにすることである。これによって、西洋近代以来の既存のアートとは異なる、また、それをつくりかえてゆくようなアートの動態を探る。
この目的のもと、初年度であった本年度はナイジェリアと国内でフィールドワークを行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、ナイジェリアに入国することは不可能となった。このため、上半期はナイジェリアの調査地に関するオンライン調査および文献調査と論文などの執筆に専念した。下半期に入ると国内調査が状況に応じて可能となったため、コロナ禍においても調査が可能であった、東京都内でアフリカンアートを展示・販売する企業のオーナーや従業員へのインタビューを行い、そこで得られた情報については年度末に分析・考察を行った。とくにオンライン調査は、来年度以降の渡航とフィールドワークに向けた準備という観点から、また、調査対象の人たちとの継続した緊密なコミュニケーションという観点から、本研究の遂行において大変有意義であった。
今年度ほぼ1年間を通じて執筆と編集に取り組んだ『アフリカからアートを売り込む:企業×研究』では、これまでのナイジェリアでの参与観察とインタビュー、そして今年度の日本における参与観察とインタビューによって、ナイジェリアの都市におけるアートの価値と日本におけるアフリカンアートの価値とを比較した。これによって、上述の本研究の目的である、アートワールドという支配的な制度やアフリカンアートの言説と関係しながらも、それを越え出ていくようなアートが持続している状況を一部、明らかにすることができた
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Remarks |
緒方しらべ、2021年、「書評:古谷嘉章著『縄文ルネサンス:現代社会が発見する新しい縄文』」、『文化人類学』、85巻4号、750‐752頁。
緒方しらべ、2021年、「グローバルアートを再考するための文献案内(アフリカ)」、『arts/』37巻、107‐109頁。
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