2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next generation MRI measurement method using combinatorial optimization technique with quantum annealing
Project/Area Number |
20J40290
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 詩子 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | タギングMRI / 量子アニーリング / シミュレーテッド・アニーリング / 撮像シーケンス / タグパターン / カーネル法 / ブラックボックス最適化 / ベイズ的最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では心臓など生体内の局所的な動きを捉えることのできるタギング MRI において、標識とするタグパターンの最適化を行うことにより、動きの検出性能向上を目指すものである。タグパターンは0と1で表される配列であり、その最適化は膨大な数の組み合わせから最適なものを選ぶ組み合わせ最適化問題となり、計算量が非常に多く全てを探索することは困難である。 研究計画2年目の本年度は、MRI画像に付加する白黒のタグパターンの模様の最適化を、カーネル法によるガウス過程回帰を用いたベイズ的最適化を利用したブラックボックス最適化を用いて行った。 タギングMRIでは、MRI撮像時に、生体内に存在する原子を励起する(1)/しない(0)を空間的に選択する磁場パルスシーケンスを印加することによって、生体内の励起された部分からはMRI信号が出力され、励起されていない部分からはMRI信号が出力されない状態を作り出すことができる。信号が出力される/されないのコントラストによって作り出されるタグの移動を見ることによって、生体の局所的な動きを知ることができる。タグの模様が各ピクセルとその周辺ピクセルとで識別可能であると動きの追跡に有効であるため、複雑な模様を持つタグを付加することが期待されているが、そのような複雑なタグを再現できるパルスシーケンスを設計することはMRI装置の制限により困難である。 そこで、周辺ピクセルとの識別が可能かつMRI装置での実現が可能なタグパターンを探索した。計算機実験の結果、ベイズ的最適化を用いたタグパターンの探索では、昨年度に行ったシミュレーテッド・アニーリングに比べて、少ない試行回数で最適なタグパターンを見つけることができ、本結果についての学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため研究室における研究活動を通常通り進めることが難しかったため、MRI装置を利用した撮像実験が行えず、計算機を用いたシミュレーション実験に留まった。 今年度、昨年度行ったシミュレーテッド・アニーリングを用いたタグパターンの最適化に加えて、ベイズ的最適化とスパース事前分布を用いた回帰手法により効率的にタグパターンを探索する手法を構築した。ブロッホ方程式によるシミュレーションでのMRI画像計算では、本年度構築したタグパターンの探索手法により、少ない試行回数で最適なタグパターンを発見することができた。昨年度のシミュレーテッド・アニーリングでの探索と比較すると、約10分の1の探索時間へと短縮することができた。本結果について、国内学会および国際学会にて発表を行った。当初の研究計画では、MRI装置を用いた実験を行いつつ探索方法を構築する予定であったが、今年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の影響によりMRI装置を用いた実験を行うことができなかったことから、探索方法の構築を先に進めることとした。従って、次年度MRI装置を用いて取得する画像に、今年度構築した探索方法を適用することで、実際のMRI画像での探索について検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、MRI装置を用いた実験を行いつつ探索方法を構築する予定であったが、今年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の影響によりMRI装置を用いた実験を行うことができなかったことから、探索方法の構築を先に進めることとした。従って、次年度MRI装置を用いて取得する画像に、今年度構築した探索方法を適用することで、実際のMRI画像での探索について検討する。MRI装置を用いた実験には、今年度構築した探索手法の中で、次の入力として提案されたタグパターンから計算された磁気パルスシーケンスをテキストとして出力してMRI装置に設定し、MRI装置で計測して画像を取得する。MRI装置を用いた画像取得では、静止物体だけではなく、動く物体の計測を行うことによって、臓器の動態追跡に適したタグパターンについての検討を行う。
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