2021 Fiscal Year Research-status Report
A feminist study of Rawls's idea of property-owning democracy
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20K00044
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
神島 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (60449329)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 居住の権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はロールズの「財産所有の民主制」という理念をフェミニスト的視点で考察・展開するものである。今年度はその導きの糸としてミランダ・フリッカーの認識的不正義論を検討するために、フリッカーの著作Epistemic Injustice: Power and the Ethics of Knowing を精読した。また、ロールズは「財産所有の民主制」を構想する際に「居住や私有地への権利」を基本的諸自由に含める可能性に言及しているため、それについても精査した。昨年度に引き続くコロナ禍のため、今年度もハーバード大学のロールズ・アーカイブへ資料収集に赴くことはできなかったが、2022年度中に刊行予定の共著に収録されるものとして「ジェンダー正義への責任ーロールズ「財産所有のデモクラシー」の可能性ー」を準備するなど、最終年度における成果発表へ向けた準備を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、ロールズが『正義論』執筆時にどのような経済社会観を有していたのかを明らかにするために、ハーバード大学のアーカイブに赴き、未公刊の資料を収集する予定であったが、初年度に引き続き今年度も、コロナウィルス感染症拡大のため海外出張に行けなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、8月と3月にハーバード大学のアーカイブにて資料収集を行う予定である。また、9月中旬にベルギーで開催されるHuman Development and Capability Associationの年大会にて、本研究の成果発表をする予定である。また、9月末の日本倫理学会のワークショップにても、本研究の成果発表をする予定である。
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Causes of Carryover |
初年度と次年度に予定していたアメリカ出張(ハーバード大学のロールズ・アーカイブにての資料収集)がコロナウィルス感染症拡大のため中止になったため。2022年度には8月と3月に渡米し、ロールズ・アーカイブで資料収集をするとともに、9月にベルギーで開催される国際学会で本研究の成果の一部を発表する予定である。
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Research Products
(1 results)