2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00046
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
米虫 正巳 関西学院大学, 文学部, 教授 (10283706)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フランス現象学 / ミシェル・アンリ / ドゥルーズ / バディウ / ラリュエル / デリダ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、過去2年間の研究活動を総合し、出来事と実在性に関する現象学的研究の最終的な成果を具体的な形にして取りまとめる予定であった。2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、最終的な成果を取りまとめるには至らなかったが、2022年秋以降は予定していた日仏の共同研究も対面で再開することが可能となった。2022年度の具体的な研究実績としては主に以下のものが挙げられる。 (1)川瀬雅也・米虫正巳・村松正隆・伊原木大祐編『ミシェル・アンリ読本』、法政大学出版局、2022年9月。 (2)Masami Komemushi, "Immanence (im)possible. Michel Henry ou Jacques Derrida ?", Colloque international "La pensee de Michel Henry", Universite Paris Nanterre, Sorbonne Universite, novembre, 2022. (3)米虫正巳「フランスで出会ったフィヒテとスピノザ」、日本フィヒテ協会大会第38回大会シンポジウム、於同志社大学&オンライン開催、2022年11月。 (1)は2022年に生誕100年を迎えたフランスの現象学者ミシェル・アンリの哲学の全体像を描き出そうとしたもの。全体の編集に携わると共に、3つの論考を執筆し、アンリ哲学の輪郭や独自性を他の3つの哲学との比較から浮き彫りにした。(2)はミシェル・アンリの哲学をめぐってパリ・ナンテール大学およびソルボンヌ大学で開催されたシンポジウムでの招待講演。アンリ哲学の中心概念である「内在」の可能性と不可能性を「出来事」という観点から検証した。(3)は日本フィヒテ協会のシンポジウム発表。フランス哲学の中でのフィヒテ知識学の位置をスピノザとの関係を通して明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、過去2年間に行なってきた研究活動や研究成果を総合し、出来事と実在性に関する現象学的研究の最終的成果を具体的な形で取りまとめるための本課題研究にとっての最終年度となるはずであった。しかしながら、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、残念ながら最終的成果を取りまとめるには至らなかった。というのも、本研究は日仏共同研究として計画されており、対面での共同研究を行なうことが困難な状況では研究の遂行に限界があったからである。そのため本研究課題の進捗状況はやや遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、残念ながら2022年度までに最終的成果を取りまとめるには至らなかったが、2022年秋以降は予定していた日仏の共同研究も対面で再開することが可能となった。そのため、当初の目標の実現に向けて、研究期間が延長されたこの1年で共同研究をさらに推し進める。
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Causes of Carryover |
2022年度が本研究の最終年度の予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により日仏共同研究が制限され、対面での共同研究を十分に行うことができなかったため、次年度使用が生じ、1年間の研究期間延長を行なった。 次年度の使用計画としては、共同研究に伴う海外からの研究者招聘のための旅費、研究会開催に伴う人件費や謝金、フランスでの研究発表のための旅費などを予定している。
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