2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南澤 良彦 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (50304465)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 漢唐 / 国家祭祀 / 五帝 / 武帝 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、新型コロナウイルス感染症が一向に収まる気配を見せず、研究環境は改善されない状況下、2020年度に見直した研究計画を再び見直すこととした。2020年度は当初の計画を見直して、まず唐代の国家祭祀体系の詳細と成立過程、及びその中の五帝体系と理論を再確認し、唐代における五帝概念形成の概要を把握し、その上で戦国時代~前漢武帝期における国家祭祀と五帝の諸問題を、伝世資料や新出土資料等にもとづいて研究したが、2021年度はそれら2020年度の研究成果を精査した上で、武帝期の国家祭祀と五帝の諸問題の研究に着手することとした。 2021年度になって新たに、『續修四庫全書』『道蔵』等をはじめとする数種類の電子図書を導入した。これらの電子図書の一字検索等の機能は本研究遂行にとって極めて有益であった。これら新たな研究資源を活用して、2020年度の研究成果を検証し、よりいっそう正確なものにするようにはかった。ついで、武帝期の国家祭祀と五帝研究においては、儒教的国家祭祀の側面のほか、武帝治世後半期を特徴づける神仙思想への傾斜の側面も研究対象とした。さらに、次の段階である、王莽期~後漢前期の研究にスムーズにつなげるために、武帝期後半から王莽期に至るまでの儒教国教化の過程を国家祭祀と五帝の問題から捉え直した。 しかしながら、度重なる新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発令により、しばしば長期にわたり、大学へのアクセスが著しく制限され、現有の研究環境・研究資源を十分に利用して研究を遂行することが難しかった。そのため、2021年度の研究の到達点は、ようやく王莽期~後漢前期の国家祭祀と五帝の研究に取り掛かったところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題の研究初年度である昨年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大によって、研究環境に大きな変化を生じ、当初の研究計画の大幅な見直しを行なった。本年度も依然としてこの状況に改善の兆しは見られず、さらなる研究計画の見直しを余儀なくされ、進捗状況は思わしくなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大の影響により、研究計画は研究開始から二年連続して見直し、組み直しを行わざるを得なかったが、所期の成果を達成すべく、本研究を遂行していく方針である。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染状況の世界的な動向は今後も予断を許さず、予期せぬ事態が生じる可能性は高いが、期間延長をも視野に入れて、柔軟に対処し、研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
(理由) 新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大により、研究計画を二年連続して見直す必要が生じ、それにともない科研費の使用計画も慎重に見直した結果、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 新型コロナウイルス感染症の感染状況の世界的な動向を慎重に見極め、次年度以降、順次使用する。
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